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異世界で家庭菜園やってみた  作者: 藤原ゆう
禁呪発動
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2.菜園が荒らされました(3)

途端に空腹を覚えた悠里は、料理を片っ端から片付けて行った。


美味しい。


御飯を美味しいと思えることが嬉しかった。


(うん。誰がやったとか、考えてたら切りがないもん。それよりは、次の種を植えることを考えた方が、ずっといい)


もう、迷わない。


何があっても、へこたれない。


(ディントを野菜でいっぱいにするって、決めたんだから……)


いろんな野菜を使ったサラダ。


根菜のスープ。


こんな料理を、誰もが隔てなく食べられるように。


そのために、頑張っているんだ。


(落ち込んでる暇なんてない……)


最後全部を掻き込んで、悠里はトレイを台所に返して来ると、コウメさまを探した。


途中サラが図書室で勉強しているのを見掛けて、ほっと胸を撫で下ろしたり、サム爺さんが昼寝をしているのを見て和んだりしながら、庭に出ると、やはりそこにコウメさまはいた。


コウメさまは花畑の草引きをしているようだった。


そっと近付くと、コウメさまは振り向くことなく、「ユーリ」と名を呼んだ。


「どうして見てないのに?」


「分かりますよ。少し落ち着いたかしら?」


草を抜き続けるコウメさまの隣に、悠里も膝を着いた。


「ご心配おかけしました」


「……ふふ。それは、心配しますよ。あなたは大事なうちの子ですからね。サムさんやサラも、アルも……皆、あなたを心配しています」


「……」


それから二人は黙々と草を抜き続けた。


いつもは人が何を考えているのか受け止めきれない悠里にも、この時だけは、コウメさまが何を考えているのか、何故か手に取るように分かっていた。


言葉に出さない、出すことが出来ない、深い思いがあるのだと。


それは、優しく悠里を包み込み、前へと押し出してくれる。


同じ召喚された者として、この世界で生きることの勇気を、コウメさまは沈黙の中で与え続けてくれていた。





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