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四
講演が終わった後、愛子は、研究室に戻った。
夕焼けが、いつものように、窓から差し込んでいる。
愛子は、机の引き出しから、一枚の古い絵馬を取り出した。それは、彼女が二十歳の頃、母と一緒に、あの神社を再び訪れた時に、二人で書いたものだった。
母の願いは、もう、書かれていなかった。代わりに、こう書かれていた。
「これからも、好きなことを、続けられますように」
愛子は、その絵馬を見て、静かに微笑んだ。
窓の外、空には、最初の星が、ひとつ、光り始めていた。
愛子は、その星に向かって、小さく呟いた。
「ありがとう」
その光は、今も、彼女の中で、静かに輝き続けている。
そして、これからも――誰かと一緒に、終わらない問いを見つめ続ける限り、その光は、消えることはない。
(終)




