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第二十・五話 大地に堕つるは翠の禍星

今回は閑話ですので短めです。

2022年7月23日(土)

PM 2:00

アメリカ合衆国コロラド州コロラドスプリングス市

シャイアン・マウンテン空軍基地

国連統合空軍・航空宇宙防衛司令部(UNADEC)

side 国連統合空軍少将・ジミー・ガードナー



「敵母艦の大気圏突入を確認しました! 落着地点は当初の予測通り日本の中部地方です!」


 その報告を聞いて私は大きなため息を吐いた。

 ついに始まるのだ。

 人類の存亡を賭けた、史上最悪の戦争が。

 NASAの研究チームは数ヶ月前に日本に落着した隕石は敵、セルトアレイアにとっての『強襲偵察部隊』であるとの結論を出した。

 つまり、母艦の進入に先だって予定進出地域の安全を確保する役目だと言うことだ。

 それによって、日本は壊滅的な打撃を受けている。

 『強襲偵察部隊』に最先進国の一角が壊滅させられたのだ。母艦は一体どれほどの戦力を持っているだろうか?


 今現在日本に存在するセルトアレイアの総数は500万前後と見積もられている。

 ならば、それの数十倍の大きさを持つ母艦は、数千万から数億のセルトアレイアを積載していることになる。

 いや、最悪の場合、人類の総数よりも多いかも知れない。

 そして奴らには核兵器が効かず、通常兵器に対する防御力も人間を遥かに凌いでいる。

 このことが意味することはただ一つ。

 『人類が一丸となって戦わなければ、ヒトという種族、ひいては地球全体の生命が滅びてしまう』と言うことだった。

 そして、国連は一つの結論を出した。

 現在国連に属している全ての軍を国連が一括管理し、地球人類の存続を図るということだ。

 一応国家という共同体のために『現状敵に侵略されている国家の軍に関しては国連の完全な管理下には置かず、国連との同盟軍扱いとする』などという文言が付け加えられた。

 現在も日本の国防軍が存続しているのはそういう訳だ。

 国連の一括管理下に置かれた軍の名前は『国連統合軍(United Nations Integrate Force)』となり、国際連合地球防衛機構(旧軍事参謀委員会)の管理下となった。


 と言うことでかつてのアメリカ空軍少将は国連統合空軍少将として15年前に閉鎖され、最近になって現役復帰したシャイアン・マウンテン空軍基地にいると言うわけだ。




 現在日本に向かって落下している小惑星……敵母艦は長さ5700m、直径1500m程度の巨大な円筒状の物体だ。

 これが隕石として地球に衝突したのならば確実に人類は壊滅的被害を受ける。

 しかし、数日前から母艦は減速処理を開始しており、1日前に地球の静止軌道へと進入、たった今第一宇宙速度を下回り、失速しながら大気圏へ突入している。

 早ければ数分で日本へと落着することだろう。


 そして、戦いが始まるのだ。

 終末の戦争(ラグナロク)が。

 恐らく、この戦争は人類にとって最大の惨禍を降り注ぐ事になるだろう。

 誰も逃れることは出来ない。

 危機を脱するには戦うしかないのだ。



 私は、落着の情報を待ちながらすっかり冷め切ってしまったコーヒーを口に含んだ。

誤字脱字や文法的におかしな表現の指摘、評価感想お待ちしております。

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