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No.02 ~いつもの学校~

 家で寝てない分は学校で寝る。

 幸い窓側の一番うしろの席、しかも身長の高い氷堂の席の後ろなため、机に突っ伏して寝てても殆ど先生から見られることはない。

 これだと、ただ趣味以外のことを疎かにしているクズ野郎に見えるかもしれない。

 しかしわりと校内での成績はいいほうだ。

 授業なんていう一つの事柄をただただ説明しているだけの話なんて聞いても無駄。

 授業が終わる寸前に起きて黒板だけ写し、授業範囲を自分で解く。

 わからないところは基本的に電車の中か昼休みにでもやる。

 そのほうが効率がいいし、周囲からの評判も悪くなりづらい。


「お前、授業中寝てるくせによく成績落ちないよな――いい塾あるんなら紹介しろよな」

 よく氷堂が定期テストの後に行っているセリフだ。

 授業をしっかり受けて塾にまで通っている氷堂は、塾にも通わず小説読むかゲームするか寝ている奴の

成績が自分より上なことが気に入らないんだろう。


 ――所詮、この世はクソゲーなのだ。

 いくら頑張って努力をしても、結果が伴わなければ――意味がない。

 逆になんとなくできてしまう人、努力とは思わず本当に楽しんでいる人、効率のいい人が成功を収めてしまう。

 授業の話に戻そう。

 誰もが理解できるように一つ一つ説明してる先生の話はとても丁寧だろう。

 しかし、自分の理解している部分を説明されたってつまらないの一言だ。

 だが自分のわからない部分だけをピンポイントに説明するのも、四十人近い生徒に対しては不可能な話である。

 もとより、大人数に対して説明するのはとても難しいことであって、人によって理解の程度が違う上に前提知識の違い、興味の差、その日のコンディションなどでも記憶量は変わってしまう。

 

「おい、そろそろ十分前だぞ、起きなくていいのか」

「ん……コノヨ……ハ……クソゲー」

 気持ちよさそうに寝ている裏兎の寝顔は天使そのも……いや、とてもにやけている。

 遠くで誰かが話しかけているような気もするが、今は妄想の中で頭の良さそうな話をペラペラと話すのが楽しくてしょうがない。


 ペチッ!氷堂のデコピンが裏兎のおでこにクリーンヒットした。

「アガッ、痛いよぉ――」

「ほら、そろそろ授業終わるぞ」

「え?まだ時間あるんじゃ」

 時計を見ながら首を傾げている僕に氷堂は言った。

「今日――短縮授業」

「あ……」

 短縮授業、それは学生なら誰しもがちょっぴり嬉しくなる響きだろう。

 一日の授業が通常の十分も早く終わるため、殆どの場合は早く帰れるのだ。

 そう授業が早く終わる……。早く終わる……。

「あと三分しかないじゃないか、なんでもっと早く起こしてくれないんだよ!!」

「起きない奴が悪い」

「やばい!時間がない――」


 成績はいいのだが、自己管理が……下手なのだ。というか、根本的にどこか抜けている。

 授業終了のチャイムが無慈悲に鳴り響く。

 次は体育のためすぐに着替えなければならない。

「あぁもう無理、完全に終わった。まさか短縮授業だなんて――なんでこんなときに限って板書が多いいんだよ」

「昼休みにノート貸してやるから早く着替えろよ……」

「神様ぁ!!!!」

「あー、わかったからさっさと着替えろって!」

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