幼馴染様のお披露目パティー
「…殿下」
「なんだ」
ルヴァルトの返事はとても楽しそうだ。
「…どうしてこうなったのですか?」
リリアの茫然とした声がルヴァルトの執務室に響いた。
さかのぼること数時間前……。
「今日は勇者の披露パーティーがあるらしい」
「…なんですかそれ…」
なんだそれ…披露って…
「勇者の披露パーティーだ…姉上主催の」
王女様…あなたって人は…なにがしたいの…そんな思いは殿下もわかっているっと言うような顔をしている。
「…なんですかこれ…」
準備があるので部屋に戻ると十人ほどの侍女が準備万端というように待っていた。
「殿下より準備をとの命です。」
知ってます…なんで貴方達がいるのかということですよ!?てか!なんで侍女長いるの!?
「リリア様!お着替えを致しましょう!」
いや!なに!?その腕がなるわ!!みたいなキラキラの目は!?恐いです!!
「…あ、あの…ひとりd「殿下の命ですので」」
「…はい……」
侍女の熱意に…いや…恐怖に勝てずされるがままに着替えさせられた。
「よく似合っておいでです!!」
「ありがとう…」
着替えさせられたドレスは赤のマーメードドレスだ。
…こんな派手なの…なぜに赤…。赤はこっちに来てからの黒歴史が…。
コンコン…
そんなことを思っているとドアがなった。
「はい」
「失礼する」
入って来たのは殿下だった。
……………
「どうされたのですか?」
殿下が動かない。
「殿下??」
「…ああ…綺麗だ」
うお……そんな低ボイス…で。
「ありがとうございます…」
「よし。行こう」
……!?…どこに!?
「殿下?…どこに?」
「ん?パーティーに決まっているだろう」
いや…そんな妖艶な満面の笑顔で言われても…。
「殿下…。パートナーの方がお待ちなのでは?」
はやく行ってください…。
そういうと殿下が、
「……パートナーはお前だ」
……はあ!?
ということで…上記に戻る。
逃げるわけにもいかず…会場まで来てしまった…。
「?どうした浮かない顔をして」
「何でもございません」
あなたですよ…いやだーー…この人絶対策士だよ…。
生きて帰ろう…。と心に決め会場に入っていった。
ああ…。貴族令嬢の嫉妬の視線が痛い…。
ドアが開き殿下の手をとって中に入ると予想以上の視線か突き刺さる。
あなた達は視線で私を殺す気か…。
騎士たちからは尊敬の視線か突き刺さるが……。ある意味こちらも苦痛でならない…。
……ああ…。私の黒歴史があああ…。私のばかああ…。
思い出されて死にそうだ。
そんな視線に負けず無事入場を果たす。
…すでに死にそうだ…。
最後に王女様が入場し、ついに今夜の主役勇者が紹介される。
大きく開かれた扉から入ってきた蓮はまさに勇者。
白い軍服に身を包み、銀の剣を腰に下げている。
…あ。令嬢の目がハートに。
まあそうなるよねぇ。顔はいいもん。
「紹介します。このたび召喚された勇者。レン・カンザキです。」
王女が紹介した瞬間ワァーと歓声が上がる。
「みなさん。はじめまして。レン・カンザキと言います。」
蓮が少し緊張したような声で挨拶をする。
そして一礼し、パーティーが始まった。