私と奴隷。私は奴隷。貴方は奴隷?
日常回で非常にほのぼのしている内容です。
ノーマンは見世物小屋の奥まで移動してきた。序盤の奴隷たちは人間で料金は平民でも買えるような価格設定をしていた。武力をもって国力を強めてきた帝国だから戦争捕虜の数も多いのだろう。それに帝国の法律においては人間の権利は保護されている。それ故に人間奴隷の殺人や強姦は違法となる。それに比べて亜人奴隷にはそういった法で守られている権利は一切ない。何をしても許されるのだ。その証拠として人間の奴隷と亜人の奴隷の扱い方に見世物小屋でさえ特徴が分かれている。人間奴隷は檻と言っても
最初は死にかけのマリーのために、奴隷から文字の読み書きができる人材を集めようと思っただけだった。しかし、今現在は人間のエリアを通り越し、亜人奴隷の居るエリアにまで足を踏み入れている。亜人奴隷たちの様子を見に行くつもりはあまりなかった。しかし、先ほど宰相の部下たちから「亜人たちがノーマン子爵にお目通りをしたいと言っておりました」と言われてしまったので、来てしまったのだ。なんでこんなに嫌がっているのかと言うと……
「おお!救世主様だ!」「本当だ!おい!救世主様が来たぞ!」「ああ、ありがたやありがたや」
気づいたらこのようなことになってしまうからだ。以前エンボロスの拷問の際にここに居た獣人奴隷を使用した。恨みがある者のみ好きにするといい、とこの獣人たちに向けて伝言を流しておいた。まあそれに関しては他の貴族に変装したマリーがやってくれたんだけども。それでもってエンボロスが屋敷にやってきた後に「最終兵器」を発動させて、亜人奴隷たちがいる折戸接続して拷問室に連れてきたのだが、拷問したのは確かに獣人奴隷たちだけなのだが他の亜人奴隷たちも私たちの所業を観ており、差別してきた人間を屠ってくれた。彼らにとっては救世主のようなものなのだ。たかが私怨で人を苦しめただけなのに感謝されるのはすこしばかり心に来るものがある。それにそんな大したことをしているわけではないのにこの感謝のされようということは、よほど希望も救いもなかったということなのだろう。
「救世主様!お越しいただき感謝いたします!奥の方の檻で長老たちがお待ちです!」
檻の中に居る若い獣人が私にそう呼びかけてきた。そして指示通りに奥の檻に着くと、十二種それぞれ一体ずつの亜人達が檻の中で鎮座していた。
耳と尻尾と毛並みが特徴的な豹型の女性獣人。痛々しい傷跡と筋肉質な鱗が目立つ筋骨隆々の男性リザードマン。目をえぐり取ったのかえぐり取られたのか分からないが、目がない白髪の老人に見えるヒトガタ。森に住んでいるとされている透き通った肌の長髪の初初老人の男性エルフ。汚染された森の守り人とされる、元々は美しかったのだろうと推測できる体の形をしている全身やけどの女性ダークエルフ。全てのエルフの頂点にいるものとされ、神聖な森に住まうとされている優しげな表情を浮かべる美人で片腕のないハイエルフ。他の種族と違って後ろの方に佇んでいる、ぱっと見特になにかしらの外傷のない都市を食って比嘉を好き放題に伸ばしている巨人族。それぞれ右手左足、左手右足を切断されてしまっている職人種族、いわば個性を完全に潰された、濃い髭と低身長が特徴的なドワーフとエルダードワーフ。片翼をもがれた女性で初老のハーピー。悪魔の翼を移植された神聖な雰囲気を醸し出す女性、天使族。そしてそれとは対照的に悪辣な笑みをこちらに向ける天使の翼を移植された悪魔族。それらが檻の中で横一列に座り、ノーマンを見つめていた。
「この度はこんなところまでお越しいただいてありがとうございます。喋れないものや、人間との会話をしたくないものの居るため、私が話をしたいと思います」
豹型の女性獣人がノーマンに向けて語り始めた。ノーマンは長期的な話し合いになると思い、椅子を運んできて、紅茶を飲みながら話を聞くことにした。
「えーと、今どこから机椅子とお茶を出したのでしょうか?いえ、何でもないです。それよりも今回我々が御呼びだてしたのは我々の今後の処遇を伺いたかったからです。我々は奴隷になったものと、奴隷として育てられたものがそれぞれいます。なおかつ我々は法律による保護がないため奴隷として売られた先では心も体も深い傷を負い、最悪の場合は死にます。エンボロスはそんな我々を嬉々として売りさばいていました。しかし、ここに揃っている十二種の長老とされている者たちは販売ではなく、レンタルという形で長く奴隷とされてきた者達です。薬など様々なものを服用されて亜人連合が崩壊して二千年生以上生かされ続けてきた亜人連合の生き残りです。そんな私たちをエンボロスの手から救ってくれたのが貴方様なのです。ただ、奴隷であるにも関らず、経済にも多大な影響の出るエンボロスを殺すようなことをした我々を帝国が許すでしょうか?特に救世主様は拷問官だと聞き及んでいます。帝国の歴史の中で皇帝や宰相。その次に権力や発言力を持っている存在だと。せめて、獣人族だけを罰し。他の種族を見逃していただけないでしょうか」
ノーマンは紅茶のカップを机の上に置いて彼女が言っていた内容を吟味する。まずは二千年以上生きているという話だ。寿命に関しては各種族を含め人によってばらつきが出る。早くて百年。長寿のもので千年以上だ。実際一番長寿なのは、伝説の通りならばあの皇帝だ。少年の姿のまま三千年以上の歳月を過ごしている。薬によって彼らも生かされ続けているのも間違いはないのだろう。フィオのことを聞いたら何かわかったりはしないだろうか。そして。
「話は分かったが安心してくれ。処罰などはない。まずまずエンボロスは生きているし、なおかつ君たちに命令を下したのは私だ」
何者も罰が出ないという話を聞いて話を聞いていた獣人たちはほんの少しだけ安堵するような心持になる。拷問官としての私の力を彼らは見てしまった以上、処罰ともなるとどのような苦しみを耐え抜いた上で死んでいくのだろうと想像していたのだろう。
「それで君たちの処遇なのだが、検討する前に聞きたい。君たちは文字の読み書きができる者がいるか?我が家での文官が欲しいのだが」
「この場に居る亜人奴隷のほとんどが可能です。ここに居る間は少しでも生存確率を上げるために、ここに居る奴隷たちには読み書きから雑多な知識まで何かに使えることを信じて我々が教えておりました」
これは僥倖だ。屋敷内では亜人奴隷がかなり多い。そんな中で私が字の読み書きだけを求めて人間の奴隷を屋敷に招いたら、どのような問題が起きるか分からない。恐らくは屋敷に居れる前に拷問でもして心を折ってから仕事に就かせるかもしれないがあまりにも手間だ。亜人奴隷たちの中に少しでもいればいいと思っていたが、それならばいいだろう。
「よし、分かった。君たちの中で優秀な者を集めてくれ、何人でも構わないが、屋敷内は現状人数に限りがある。せいぜい多くて二十人程度だな。他のこの場に居る亜人奴隷たちも安心してくれ。必ず私が迎えに来る」
そこまで言うと亜人奴隷たちがいる檻に歓声が起きた。巨人族に至っては雄たけびまで上げだして大騒ぎだ。救世主コールやノーマンコールまで起きてしまっている。恥ずかしいからやめてほしい。
私はそれだけ言ってその場を去った。亜人たちの選定の結果は宰相の部下に伝えるように言って、後日決まり次第屋敷に送られるそうだ。これで死にかけのマリーも少しは回復するのではないだろうか、そんな希望を抱きながら屋敷に戻った。
「随分と余裕そうじゃないかノーマン。私は死にかけだというのに。他の使用人たちと共謀して今日、貴族としての仕事が終わるまで貴様は今日書斎にて缶詰だ!いいか、逃げるなよ!というか逃がさん!逃げたら殺す!!」
先ほどまで死にかけのマリーがむしろテンションだけで言ったら今まで以上に元気だ。喜ばしいものではないが。使用人たちと共謀してと言っていたがこいつ一体いつから亜人奴隷の使用人たちと仲良くなっているんだ!?あの子たちはほぼほぼ人間に心開かないし、私ですら会話が可能になるほどの信頼関係気づくのに時間がかかったと言うのに!拷問室に逃げようにも無駄だ。他人の出入りはどこからでも基本行えるが、自分自身は拷問室を展開した場所でしか行き来出来ない。つまり書斎のカギが開かない限りは書斎から出ることは出来ない……諦めて書類仕事をしよう……。
ノーマンはマリーと一緒に領地経営や貴族の問題に拷問官の仕事、縁談の手紙、宰相からの依頼の書類の山を片付けた。機械のアームを展開して全力でスピードを上げたにも関らず、マリーはそんな私の倍のスピードで仕事をこなす。ノーマンは、マリーがポンコツなのかシゴデキなのかが度々分からなくなるのであった。
書類仕事地獄を終えた次の日、ノーマンは拷問室に訪れていた。拷問室はノーマンの意思によって姿形を変化させることがでいる超巨大な空間だ。その中でも展示エリアと呼んでいる場所がある。(マリーが言うには研究室)そこにはノーマンが拷問してきた人物がガラス張りの部屋でそれぞれ飾られている。最初は罪の意識から始めたものだった。いつか自分が私怨をもって相手を拷問するために、わたしが何の被害も受けていなければ、本来関わるはずもなかった人を悪と断じて拷問して、場合によってはそのまま殺す。そんな彼らが生きていた証を残し、自身の罪を忘れないように作った空間だった。ガラス張りの部屋にはそれぞれのネームプレートと遺体。何の罪で何の情報を差し出したのかが書かれている。遺体がない場合は拷問の末許されて外の世界に出ることになったものか、未だに生かされ続けているかだ。基本的にここに送られてくる連中は政敵か極端な亜人差別主義者などが多い。政敵はともかくとして、亜人差別主義者に関しては虫唾が走るほど嫌いなので、私の拷問内容も過激なものとなっていた。
「なんだか、スイッチが入ると止まらなくなってしまって、後から自分でも引くような拷問内容が完成していたりすんだよな」
例えば私が初めて拷問した男は人間の平民だが、亜人奴隷を犯した上で孕ませた子供を母親に直接処理させ、それをジュースにして飲むという所業をしていた男だった。今は機械で無理やり動かして自身の男根を切除して、それをすり潰し、その血をジュースとして飲ませるという拷問を行っている。体の部位も含めて永遠に回復できるようにしているため、寿命が無くなるまでは永久的にその作業を自身で行っていくのだろう。
他にも、焼かれた死体の状態で飾られているボレウスもいるし、元々はボレウスの親衛隊だった兵士達も、以前の伯爵時代のマリーに見せたが腕は四本で顔が二つの巨漢の怪物たちもいる。全部で十体。安楽鬼という名称を付けておいた。兵士二人を統合して作り出した人造キメラだ。彼らは存在そのものが拷問となっている。常に自身が裂けているかのような痛みを感じるし、脳や意識も二人が共有しているので、まともな精神性はおよそ残ってはいないだろう。彼らは生前私の妻や焼け死にそうな村人を犯して遊ぶなどをしていたので、性欲関連の実験を行うことにした。今の彼らに性別の概念もなければ知性も理性も希薄だ。であれば彼らが生前強かった性欲はどう消化されていくのかが大変疑問に感じた。私は性欲は少ない方だ。だから襲うなどしてでも無理やりにやる理由が理解できない。そのため、単純な性欲なのか、それとも別なのかの実験をしている。具体的には様々な種族の交尾の様子を部屋の中にある画面に映し出し反応を記録するということを行っている。ただ現状は彼らの精神も安定まではしていないため、実験結果が分かるのはまだまだ先になると思われる。他にもこの空間には様々な拷問を受け続けている者がいくらか存在しているが、今日見に来たのは、エンボロスだ。
「アアアアアアアアア」
彼は今ペースト状になっている。最後の拷問でひたすらすり潰して回復してを繰り返し行ってきた。その後どのような工程を踏んだのかは現状詳しく分かってはいない。ある程度の途中経過が分かってから自身の能力から現状の報告書が提示されるだろう。現状は赤黒いペースト状の塊の状態でも声が出せているという点のみに着目するべきだろうか。脈拍も精神状態も人間のそれとの違いが見受けられない以上はまだ人間であるのだろう。精神が崩壊しきっていないこともおかしいことではあるのだが、意思疎通が可能になった段階で一度聞いてみるとしよう。
拷問室から書斎に戻ってきた時目の前にマリーが居た。
「キャア!?き、きさま急に現れるのはやめろ!驚いてしまうではないか!ま、全くもう」
彼女からしてみたら一人で仕事をしていた書斎に急に私が現れたものだから驚いたもだろう。可哀想。
本人に言ったら殺されそうだから言いはしないが書類仕事をしている姿が妙に似合っている。伯爵としての仕事もしていたのだろうが、それだけでこんなに処理するのは難しいだろう。やはり神が遣わした書類仕事の妖精なのではないだろうか。伯爵前は何をしていたのだろうか。仕事服も良く似合っているし。
「おい、ノーマン貴様。何か失礼なこと考えていないか?」
「い、いや何も。仕事着が似合うなあと」
「ほーう。誰のせいで似合うレベルにまで書類仕事をしていると思っているんだ??全く。考えてから発言しろ。そういえばエンボロスのところから引き取った奴隷とやらを宰相の部下から預かっておいたぞ。十人を超える人数だったからとりあえず局麻に全員通してある。どうせ拷問室に居ると思って書斎で待っていたのだ。戻ってきたのだから面会に行くぞ」
マリーに手を引かれながらノーマンは客間へと向かう。
二十人までとは言っておいたが、おそらくは長老の十二人なのだろう。未だ現在奴隷の全員を受け入れる準備はないと伝えておいたので、どこまで信じ切れるかの見定めのために来てくれているはずだ。手足の欠損していた方もいらっしゃったはずだし、義足や義手の準備も含めてしないといけないかもしれない。それにフィオもあの見世物小屋出身なのだろうし、聞きたいこともいくらかある。
そんなことを考えながら私は書斎の扉を開けた。目の前には十二人。それぞれ十二種の若い者たちが男女問わず並んでいた。裸で。
私はすぐに扉を閉めた。
評価、レビュー、ブックマークも募集していますが、そんなものより拷問の内容募集中です!
いい拷問を送ってくれた方には独身成人男性からの声援をプレゼント!?
……。まあ、とりあえず拷問内容募集中です。ネタ切れではなくアイデア出し的なのと、みんなで作った作品の方が満足度高いなあっていうあれです。
セルフで自分自身の拷問をしたところで、それではまた次の拷問で。




