表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/57

第二十話 整備区画の片隅。(空気)

第二十話 整備区画の片隅。(空気)


ハルとミカの間に、ほんのり甘い空気が流れていた。


ハルはミカの差し入れを飲みながら、

珍しく柔らかい表情をしている。


ミカも、照れくさそうに笑っている。


タケル・レイナード・カザマ中尉は、

その様子を遠巻きに見ながら――


(……若いっていいな)

(……甘い……)

(……胃が痛いけど癒される……)


と、それぞれ複雑な気持ちになっていた。


そんな中。


ピピッ……ピピピッ……!


またしても、あの電子音。


---


ハカセ、空気を読まずに乱入

ホログラムがふわりと展開され、

例の“ニヤニヤ笑うタコ”が現れた。


「ほっほっほ……

なんじゃなんじゃ、ええ雰囲気になっとるのう?」


「えっ!?ちょ、ハカセ!?

いつから見てたの!?」


「最初からじゃよ?」


「……やっぱりか」


ミカ「やっぱりじゃないよ!!」


ハカセは二人の間に割り込むようにホログラムを揺らし、

まるで恋愛ドラマを観る視聴者のように身を乗り出した。


---


ハカセの“余計な一言”


「いやぁ、若いってええのう。

“波形の相性”も抜群じゃし、

合体時のシンクロ率も上がりそうじゃ!」


「なっ……!?

な、なに言ってるのハカセ!!」


「……シンクロ率の話だろ?」


「そういう問題じゃない!!」


ハカセはさらに追い打ちをかける。


「ほっほっほ。

二人の距離が縮まれば縮まるほど、

“合体変形時の最終形態”も安定するからのう!」


「合体変形に恋愛要素いらない!!」


「……いや、波形の一致は重要だ」


「ハルまで!!」


---


さらに余計なことを言うハカセ


「それにのう、

二人が“いい感じ”になればなるほど、

タケルの観測負荷も減るんじゃよ?」


「えっ!?僕に飛び火するんですか!?」


「うむ。

二人の波形が安定すれば、

お主の胃痛も軽くなるじゃろうて」


「胃痛の話じゃないです!!」


レイナード「……いや、胃痛の話でもあるな」


カザマ中尉「確かに……安定してくれたほうが助かる……」


ミカ「なんでみんな納得してるの!?

違うでしょ!!」


---


完全に台無し


せっかくの甘い空気は、

ハカセの乱入によって粉々に砕け散った。


ミカは真っ赤になってハルから距離を取り、

ハルはハーブティーを飲みながら小さくため息をつく。


ハル「……ハカセ。

空気ってものがあるだろ」


ハカセ「空気?

そんなもの、観測できんからわからんのう」


ミカ「観測できないなら黙ってて!!」


ハカセ「ほっほっほ。

照れおって可愛いのう」


ミカ「可愛くない!!」


---


そして、また騒がしい日常が戻る


調律者たちは「今の波形、記録した!」「二人の距離が縮まった瞬間だ!」と騒ぎ、

軍の三人は胃を押さえ、

ハルは静かに作業に戻る。


ミカは顔を真っ赤にしながら、

ハカセのホログラムを追い払おうとしていた。


甘い空気は一瞬で消えたが――

それでも、二人の距離は確かに縮まっていた。


---


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ