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12月11日 話

 俺は、ずっと窓の景色を見つめていた。昨日の夜から降り続けた雪が残っており、今日も時折降っていた。生まれも育ちもここだから、雪が降っていることに驚きはなかった。毎年、この時期になったら恒例のこと。おじいちゃんやおばあちゃんにとっては大変だろうなと思うとみんな言うけど、特性がある俺にとっては雪どころか日常生活から大変なのだ。みんなが当たり前にこなしている毎日の作業が自分はできないのだから。昔は、なんでこんなこともできないのかと思う時期もあったけど、一周まわった今は、むしろ何も思わなくなった。できない!終わりっていう感じだ。だから、いろんな人から指摘されるんだろうな。でも、そんなのは俺には関係ない。


 先生「おい、聞いてんのか?」

 俺 「あ、はい」


 言っているそばから、また注意が入った。


 先生「お前、そんなので大丈夫か?」

 俺 「、、、、、、、、、」


 話を聞いていなかっただけに、何の話をしているのか全然わからなかった。


 先生「もうすぐ受験なんだから集中しろよ」

 俺 「はい」


 受験ね。わかりました、わかりました。さっさと終わらないかな?てか、そう言えばなんで俺、ここにいるんだっけ?


 先生「じゃあ、話戻すけどここらへんでいいんだな?」

 俺 「はい、大丈夫です」


 あっ、そっか。どこに志望校出すのかだった。先生に志望校のいくつかを報告するように言われたから、ここに来ていたんだった。


 先生「もし、変わることがあればすぐ連絡してこいよ」

 俺 「わかりました」


 さっさと帰ってゲームがしたい。ゲームが!


 先生「ホントにわかってんのか?」

 俺 「はい」


 でも、勉強してないとやらしてくれなさそうだな。


 先生「もう、これ以上遅くなると俺もサポートできなくなるからな」

 俺 「わかりました」


 ゲームは俺と現実世界を唯一繋ぐものだった。


 先生「勉強はしてるのか?」

 俺 「してます」


 もう、何の話をしているのかがあんまりわからない。だからこそ、ちゃんと返事するしかないのだ。 


 先生「どれくらいしてるのか?」

 俺 「うーん、、、、、、」


 テキトウに返事をしているから、よくわからない。


 先生「そんなのもすぐに答えられないようだと困るだろ」

 俺 「そうですね」


 とにかく、先生の話が終わるのを待つしかなかった。

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