12月9日 廊下
まだ、俺のスマホは見つからない。こんだけ見つからないのなら、もう無理と言っても仕方がないのだろう。篠木からも先生からも連絡はない。お母さんは、とりあえず出てくるのを待ってみようと言われていた。
ー12月7日ー
授業中の学校の廊下は、とても静かだった。幸い横のクラスで授業をしていなかったのが唯一の救いだ。これ以上向こう行くと、授業をしているようだ。生徒たちのざわめく声が響き渡っていた。俺たちは、急ぎ足で廊下を駆け抜ける。あのスマホには、ゲームのデータがたくさんある。今さら、新しいスマホに変えれるようなものじゃない。俺にとっては、どうしても必要なものなんだ。篠木の目は、廊下の壁に並ぶ机の上に向けられていた。手探りで一つ一つ確認しているみたいだ。
俺 「あー、もー」
篠木「もしかしたら、こっちあるかもしれないよ」
俺は、さっきから見つからないスマホに苛立ちを見せてしまう。
俺 「ないない」
篠木「どうするの?」
納得がいかない。この状況に、なんだろこれ。
俺 「もうちょい、こっち行くよ」
篠木「もう、先生に言ったら?」
先生には言いたくない。なんか、そういう思いはずっとあった。
俺 「言うけど、もう少し自分で探す」
篠木「だって、探したって見つからないよ」
探したってない、、、、。そんなのわかっている。廊下の壁を見つめていると、そこには何かがあった。
俺 「そんなことないよ」
篠木「えー、そう?」
俺 「もう、行っていいから」
早く篠木を授業に行かせたい。でも、全然行こうとしない。困るな?ホントに。
篠木「嫌だよ、私もちゃんと探すから」
俺 「もう待ってても見つからないよ」
篠木が授業に戻ってもらうには、何か別の対策が必要だ。
篠木「まぁ、ゆっくり探そうよ」
俺 「なんか、見つかる感じがしねぇな」
篠木「そう?」
俺が壁の下からモノを取り出そうとした瞬間、ゆっくり前から現れたのはまさかの"BIG3"だった。
俺 「一つ一つ見ても仕方ないよ」
篠木「じゃあ、早くあるところ探してよ」
俺 「思い出せないよ、そんなの」
俺は、こちらにやってきた矢田颯希をゆっくり見つめた。俺の横にいた篠木は、目を細め矢田の方を見つめる。まるで、想像していなかったと言わんばかりだ。




