11月23日 許可
今日は、卒業制作をやらされたせいで、帰るのが遅かった。いらない時間だ、俺にとって。何をしているんだか、俺は。篠木と諏訪が近くで見張っていたからなかなか抜け出せない。今までだったらありえない光景だ。篠木が諏訪に何か言ったんだろうか?不思議だった。なんとか放課後15分くらいで最初の工程を終わらして帰る許可をもらったのだ。
正田「今日、来るの遅かったな」
俺 「悪い、作品作ってたんだ」
正田の声がぶれて聞き取りにくかった。
正田「何、作品って?」
ん?聞き返すのもめんどくさいし、テキトウに返事をした。
俺 「卒業制作だよ。お前のところはないか?」
正田「いや、あるよ」
どうやらあっていたみたいだ。
俺 「今、してないの?」
正田「俺らは、屋台みたいなのだから」
俺 「何それ?卒業制作じゃない」
屋台?そんなの聞いてないんだけど。
正田「卒業式当日に飾るんだよ」
俺 「じゃあ、それまでは?」
正田「何もしなくてもいいんだよ」
俺 「それ、いいな」
最高だな。俺たちもそうしたい。今から、そうできないんだろうか?
正田「だろ?」
俺 「俺もなんであんなにしてるかわかんないよ」
正田「だろーな」
正田は、俺のことをいじっている。自分がしなくていいからって。
俺 「あんなやつ、したって意味ないんだよな」
正田「お前は、勉強しろよ」
それはそうだ。しかし、俺は言い返した。
俺 「それは、やれる時でいいんだよ」
正田「そうなのか?だめだろ」
俺 「いいんだよ、これで」
いいんだよ。やれる時で。俺は、自己否定しなかった。
正田「また、怒られるぞ?」
俺 「いつも怒られてるからいいんだよ」
最近、この言葉を使うことが多い。
正田「大丈夫かよ、それで」
俺 「まぁ、勉強はあとで少しやるよ」
てきとうだ。勉強なんて。
正田「どこの大学行くんだ?」
一番困ってしまう質問だ。してくるなよ。
俺 「Fラン行くんだよ」
正田「もっと勉強して高いところ目指せよ」
高いところなんていくらでもあるけど、無駄だと俺は思っていた。
俺 「それしても無理なんだよ」
正田「なんでだよ?」
俺 「集中力がもたないんだよ」
集中力がな、、、、、。
正田「20分くらいいけるだろ?」
20分って意外と長いぞ、まじで。




