11月11日 ggu
俺は、gguという海外のゲームに没頭していた。眉間にしわを寄せながら、画面に向かって指を連打する。最近は、ずっと正田と他のゲームをしていただけに久しぶりだった。最近、正田は、バイトで忙しいみたいだ。もう高校3年生だし、そういうのも普通なのかなと思っていた。俺には、絶対無理だけど。
gguでのゲーム内キャラクターは、戦闘で大奮闘していた。このゲームを行うのは、約1年ぶりくらいだ。新作が今度1月に出るので、それまでに慣れたいと思っていた。俺の視界と意識は、全てゲーム内に集中しており、他の何かが俺の脳内に入ってくることはほとんどない。指先はコントローラーを掻き鳴らしながら、キャラクターを正確に動かし、敵を倒していくのだった。
ゲーム内の時折戦闘シーンの音楽が耳に届くと、脳内のアドレナリンが一気に高まる時がある。俺は、こういうのを昔からずっとしてきたから、ゲーム依存みたいになってしまっているのだろうか?気がつくと、俺は、不意に、苦手なステージに進むことになってしまったようだった。昔は、悠々と進めていたのに、今日はかなりの時間を要してしまった。それでも、まだ時間はある。キャラクターを変え、新しいステージからスタートをさせた。いきなり山をよじ登るところからだ。ゲームに没頭し、難所を踏破していった。
集中しすぎたのか、俺の視界の範囲は狭く、全部の力がゲームに向かっていた。俺は、次の新しいステージに向け、スリリングな展開に対応する準備をしていた。右端からモンスターが突如現れる。なんとかコントローラーでキャラクターを動かす。しかし、そんな俺を見逃してはくれなかった。これまで、毎回、完璧な反応を見せていたキャラクターも今回ばかりは、モンスターの攻撃をくらう。
すると、扉から大きな声が聞こえてくる。あの声は、お母さんだ。いつも思っていた。なんで、ゲーム中、いつも呼びかけてくるのだろうか?テキトウに返事をして、全てを忘れるかのように、再びゲームに没頭したかった。しかし、もうゲームの時間も1時間ぶっとうしで続けてきた。強烈な光に包まれ、目が痛くなってきた。一旦、ゲームから離れて、天井を見つめたのだった。俺は、ペットボトルの水を飲み、息を整えた。俺がgguというゲームに没頭している間も、誰かは新しいゲームに取り組んでいるんだろうと考える。俺も早く新しいゲームが欲しいという思いでいっぱいだった。




