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10月14日 ケンカ

 昨日、野間がケンカをしてからクラスの雰囲気も悪くなっていた。それもそのはず。朝から、担任の先生に、クラスの全員が怒られたからだ。先生曰く、クラス全員の問題らしい。俺には、よくわからないし、わかりたいとも思わなかった。

 先生は、俺たちに反省をしているのかという問いをなげかけてきた。俺たちは、黙ったまま誰も答えることができないでいた。いつもは元気な横山や中村、野球部の八幡や橘もたた机に座っているだけだった。女子の篠木や諏訪、西畑も顔をしかめていた。

 問題の当事者である野間は、教室にはいない。3日間の自宅謹慎が言いわたされているらしい。たしかに、掴み合いなり、その後も興奮が覚めなかったが、自宅謹慎ほどの問題なのかよくわからなかった。それよりも、そこにいて同じく手を出そうとした4組の生徒にも問題があるように感じた。しかし、野間ともめた4組の生徒は、自宅謹慎にはならなかった。俺は、そこに疑問を感じていた。

 先生の問いかけから、早くも5分が経った。まだ、誰も問いかけに対して返答していなかった。先生も無言のまま教科書を見ていた。俺は、この無言にもそろそろ飽きてきており、早く教室を出たい気持ちでいっぱいになった。こうなってしまうと、先生の気持ちなのど二の次だ。

 俺は椅子から立ち上がった。クラスのみんなは、一気に俺の方を見た。そんなことはおかまいなしで、後ろの方へと歩き出した。すると、前から担任が俺に向かって声をかけてきた。「何してるんだ?」

 いつもより、機嫌が悪い俺は、ついカッとなってしまった。「退屈なんで、帰るんですよ。こんな時間、いりますか?」俺は、そう告げて歩き出した。すると、怒号が鳴り響いた。

 しかし、今日の俺は、運が良かったようだ。先生が俺にキレた時、誰かが立ち上がる音がした。俺は、先生に視線を合わせるのとついでに、そいつが誰なのかを確認した。立ち上がったのは、やはりヤツだった。

 ヤツとは、"篠木"のことだ。最近、ことあるごとに篠木は、俺に絡んできた。篠木は、先生を睨みつけ、「その言い方はないと思います」と自分の意見を伝えた。それに伴って、横山が先生の前まで歩き出した。

 何やら、横山と先生が話している様だ。しかし、後ろにいた俺までは聞こえない。横山は、先生と話した足でそのまま、教室を出て行った。横山に続く様に、中村や橋本が話し出した。俺は、それを見て、教室を出て行った。

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