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第22話 対面

 睡蓮沼のほとり。

 魔王の娘と魔法学者は相変わらずわいわいと騒いでいた。


 「少し暗くなってきたな」


 辺りを見渡した武器屋がぽつりと呟いた。


 「そ、そうかな?ボクには全然わからないや……」


 睡蓮沼周辺は北の森の中でも開けた場所ではある。

 しかし、元々薄暗い森だ。

 木々の隙間から差し込む僅かな光を頼りに時間の経過を見極めることは容易ではない。


 「武器屋君は本当にこの森に慣れているんだね。頼りになるな~」


 魔法学者は感心したように微笑んだ。


 「まあ、この辺りは俺の庭みてぇなもんだからな」


 一同は空を見上げた。

 木々の隙間から小さく覗いている空の色は、心なしか先程より暗く見えた。


 「……この後はどうするの?」


 ニートが呟いた。

 このまま森の中で夜を迎えるとしたら4人で休める建物が必要だ。

 しかし、そのようなものは近くに見当たらない。


 (となると……もしかして野宿!?)


 毎日毎日布団の中でぬくぬくと過ごしてきた引きこもりのニートにとって、野宿はあまりにも厳しい環境だ。


 「き、今日はもう……これ以上進まない方が良いんじゃないかな!?真っ暗になる前に村へ戻ろうよ……?」


 「ああ?何言ってんだニート?これから夜が来る度に引き返すってのか?それじゃあいつまで経っても先へ進めねぇぞ。……馬鹿なのか?」


 魔王の娘と魔法学者もポカンとしている。

 ニートの必死の訴えは武器屋の正論により論破されてしまった。


 ……来た道を戻るという選択肢はなさそうだ。

 やはり、このまま野宿コースの可能性が濃厚そうである。


 (それだけは絶対に回避しなくては……!)


 ニートは決意を固め次の言葉を発しようとした。

 

 そのとき


 『ねぇ、なにしてるの?』


 少女の声が聞こえた。


 「……!?」

 「……!?」

 「……!?」

 「……!?」


 4人は声がした方を見た。


 そこには幼い少女が立っていた。

 

 3歳児くらいであろうか。

 色白の肌に、丸顔と丸い瞳が映える可愛らしい印象の少女だ。

 肩まである黒髪は結ばれておらず、少女が着ている白いワンピースにさらさらと垂れている。


 (似ている……)


 ニートはゴクリと唾を飲んだ。


 似ているのだ。

 魔王の娘に。


 魔王の娘は童顔であるが、現在13歳くらいだ。

 さらに幼い頃の彼女の風貌はこの少女に近かったのかもしれない。

 そう思えるほど二人は似ているのだ。


 しかし、コロコロと表情が変わる無邪気な性格の魔王の娘と比べ、この少女は無表情で大人しそうである。

 そして、一点だけ魔王の娘とは明らかに異なるところがある。


 少女は靴を履いていないのだ。


 何処と無く魔王の娘と似た雰囲気を持つその少女は、一瞬首を傾げると4人がいる方へ右手を伸ばした。


 「……っ!?ま、待って!!」

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