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花の妖精と腹黒王太子  作者: 水無月 撫子
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42/44

キレた……。


 おおお、あっという間に2月が終わってしまった……。

 ヤバイ、あと15日……。

 荷造りって意外と時間がかかるんですね……。

 ってか終わるかしら!!!

 ヤバイヤバイ……。


「サファイア嬢とエレディオール殿が別れてエレディオール殿は我が妹を妃とし、サファイア嬢は私の妃となればいい!!!」



 ぶちっ!


 私の中で何かが切れた音がした。


「……!?さ、サフィー?」


 後ろの私の方を向いたエディーが焦った顔をしている。


「何でございましょうか、殿下。」


「あ、ヤバイ……。」


 なんかボソッと言ったな?



「…ごきげんよう、ブルーファルケ帝国王太子のオルデン殿下、ならびに第一王女、メルサ王女。ご挨拶が遅れましたが、わたくしはアクアリスト王国王太子妃、サファイア・ブロッサム・アクアリストでございます。」


「お、おう。」


 至極まともな挨拶を今更され、どうやら戸惑っていらっしゃるようだ。

 まぁ…しようとしても拒んでいたのはあちらだから別にどうだっていい。


「それよりも、先程のお話ですが、勿論冗談でございましょう?」


 ふふふ、と笑いながら言う。

 一応チャンスを与えたつもりだったのだが……。


「…?何いってるんだ?本気だぞ?」


 そうか…。よし、手加減はいらないようですね!!!


「あら、そうでしたの。」


 私はバカ王子に微笑みかけるとサッと歩んで、壇上の陛下と王妃様の前へ出た。


「アクアリスト王国王太子妃サファイア・ブロッサム・アクアリストでございます。ぶしつけながら国王陛下、王妃殿下にお願いがございます。」


 完璧な淑女の礼をとり、陛下と王妃様に話をする。


「申すと良い。何でも聞こう。」


 にこりと笑ったお二人はきっと今なら何でもお願いを聞いてくれるだろう。


「はい。わたくし、少し怒りを感じていますの。わたくしに(・・・・・)対しての態度とは到底思えませんわ。申し訳ありませんが、あの子たちもそろそろ限界なようですし……。」


「いいだろう。そなたの今からの発言は大陸全体の言葉として通そう。」


「ありがたき幸せ。名に恥じぬ言動をとることをお約束致します。」



 そこまで言うと私はお二人に礼をとり、バカ王子のところへいった。


「では、早速。…オルデン殿下、いえ、ブルーファルケの王太子殿下、あなたは先程の言葉の意味をしっかりと理解していらっしゃりますか?」


「もちろんだ。なんたって、私の言葉は絶対だからな。」


 はは。こいつ正真正銘のバカだな。


「そうですか。残念です。」



「オルデン・ブルーファルケ!大陸公約違反の罪により、自害の刑に処す!」


「はぁ????」


 バカ王子とバカ王女だけが呆けた顔をしている。


「サファイア嬢お遊びはやめたらどうだ?」

「何いってるのよ!!あなたごときにお兄様を裁く権限は無いわよ!!」



「…お前ら、いい加減にしたらどうだ?て言うか、ホントに王族か?」


 エディーが呆れたように問う。


 それもそうだ、だって私に(・・・・)こんなにも不敬を働いたのだから……。


「恐れながら、サフィーの実家は我がユリニスト筆頭公爵家。まぁ、今では、大陸で最も権力を持つものですが……。」


 あら、お父様。ナイスアシストですわね。


「…一体どういうことだ?」


「知らないのですか?…今時、庶民でも常識なのに。」


 お父様は完全にバカにしたように笑っている。


「っ!!いいから、教えろ!!!」


「ははは、いいでしょう。では、まず『神の愛し子』はご存じでしょうか。」

「はぁ?なんだそれ。」

「なによ、それ。」


 うわぁ、そっから。やっぱりこいつら、王族じゃないんじゃない?


「『神の愛し子』とはこの世界の全てに愛された者。つまり妖精に愛された者のことだ。」


 エディーがしれっと答えた。


「……その『神の愛し子』がわたくしなのですわ。」


 私は話ながら、お父様とエディーに片手をあげて、ここからは私が話す、と言う意思表示をとった。


 どちらも静かに頷いて私に話をさせてくれた。


「大陸公約はこの大陸にある全ての国が守るべきルールでございます。そして、私の存在、『神の愛し子』の存在もルールがたくさんあるのです。まず、その一、『神の愛し子』は一人大陸に一名のみでどこかの国に所属し、国が保護すること。愛し子は力が強く、若いものの方が選ばれる。その二、『神の愛し子』の発言は絶対である。ですが、これには少し決まりがありまして、愛し子の発言は所属する国の国王の許可がなければいけない。まぁ、ここまで言えば充分でしょう?こんなの公約の百分の一にも満たないけれどね。簡単に言うとたった今国王陛下から許可を得た私に逆らえるものは一人として存在しない。」


 ここまで言うと、さすがのバカ兄妹でも、己の過ちに気づいたのか顔をみるみる青ざめさせていった。


「ま、待ってくれ!」


「なにが、待ってくれよ。待つわけないでしょ?」


 愚かにも命乞いをするバカ王子とバカ王女を私はあっさり切り捨てた。



「わたくしとエディーに対する侮辱ひいてはこの大陸全土への侮辱。……許される行為ではありませんわ!!この場で大陸同盟反逆罪とし、ブルーファルケ帝国取り潰しを命ずる!」


『そうこなくっちゃ!!』


 私の命が響いた瞬間、可愛らしい妖精たちが皆に見える姿となってくるくると舞だした。


『サフィーを侮辱するものには死を!!』

『死を!!』


「「ひ、ひぃ!!」」


 なんともまぁ、可愛らしい容姿で言うことは過激なこと…。


 妖精たちの殺気を受けその場で腰を抜かしたバカ二人。



 まったく!!あんなとこで腰を抜かすなんて!!邪魔じゃない!!


 でも、久しぶりに良いストレス発散にできたかな♪



 なんだか、新設定の登場!!

 このタイミングなのはあんまり考えてなかった!!




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