歓迎パーティー サフィー目線
すみません。
投稿が遅くなってしまいました。
ごめんなさい……。
「綺麗だ。」
うっとりと私を見るエディー。これには私もつい顔を赤くしました。
今から行われるのは先程のバカ王子を歓迎する夜会です。
本当はあんなの歓迎したくはないのですが、一応王子様なので歓迎パーティーをしないわけにはいきません。
私も通常の夜会どうり白のドレスを着ています。
「それじゃあ、行こうか。」
優しく手を差し出され私はそれに応えて自分の手をそっと重ねました。
二人で談笑をしながら歩いていくと陛下と王妃様が見えてきました。
私たちがだんだんと近づいていくと陛下と王妃様もこちらに気付かれました。
「あら?」
「おい、あれ。」
私とエディーは二人して疑問の声を並べました。
「お、お二人ともお顔が……」
「……正直にいっていいぞサフィー。あれは死人みたいな顔つきだぞ。」
輝くような美貌のお二人があのように暗い顔をされるところなど見たことがありません。
「やぁ、サフィー。」
「ごきげんよう。サフィー。」
「あなたたちは疲れていても俺(息子)よりサフィー(義理の娘)が優先ですか!!」
「え?当たり前じゃないか。」
「え?当たり前じゃない。」
「もう、やだホント。」
この光景はいつもと変わりません。ただし、お二人の顔色以外は……。
「陛下、王妃様。その顔色はどうかされたのですか?」
私は耐えきれずにお二人に質問しました。
「ああ、そうなんだよサフィー。」
「ううう…… 」
疲れたようなため息をつく陛下と、泣き崩れる王妃様。
私は王妃様をおささえし、陛下のお顔を見上げました。
「一体、どうしたんですか。」
エディーもたまらず、といった様子で陛下を問いただします。
「実はな、ほら、あのバカ王子だよ。」
「あんの、クズ!許さないわ!!!」
先程まで泣き崩れていらっしゃった王妃様も勢いよくおたちになって握り拳を作っていらっしゃります。
「あのクズは!!!」
どうやらあのバカ王子は陛下と王妃様の前でもやらかしたようですね。
「失礼します。皆様、そろそろご入場の時間となります。」
侍従よりそう伝えられた私たちはピシッと王族の顔を作り、大きな扉の前へと進み出ました。
「アクアリスト王家、国王陛下ならびに王妃殿下、王太子殿下、王太子妃殿下のご入場です!!」
陛下と王妃様が進まれた後に続いで私たちも優雅な足取りで席に向かって歩いて行きます。
陛下が玉座の前に立ちました。
いつもならここで陛下から開式のお言葉があるのですが、今回はそうもいきません。
続いて私たちが入ってきた扉とは別の扉のところで衞兵の声が上がりました。
「ブルーファルケ帝国、王太子殿下ならびに使節団の皆様のご入場です。」
先程の私たちの入場とは比べ物にならないくらいの低い声で入場の挨拶がかかりました。
『うぁ、衛兵まで嫌悪してるのかよ。』
『エディー!』
小さく呟くエディーを私は名を呼んで叱りました。
『いくら、思っていてもそれを言ってはなりませんわ。』
いつ、どこで唇の動きから言葉を読まれるか分からないので私もエディーも唇は笑顔の形のまま動かさずにしゃべります。
扉から意気揚々と入ってきたブルーファルケの王太子を見て、やっぱり濃いやつだなぁと思ってしまいました。
と、客人が皆揃ったところで陛下から開式のお言葉があり、ファーストダンスを踊りました。
「じゃあ、エディー。わたくし、挨拶に行ってきますわ。」
「あぁ、くれぐれも気をつけて。」
と言って私の額にキスを落とします。
私はエディーに微笑み、その場を離れお母様やお兄様を探しました。
「…あ、いた。」
やっと見つけたお母様とお兄様の元へ向かっているとお兄様が私に気づいたようでお母様を呼んでくれました。
「サフィー!!」
勢いよく抱きついてきたお兄様。
まったく、少しは妹離れしてくれよ……。
「レイドお兄様、ごきげんよう。と言ってもほぼ毎日会っていますから、どいてくださいな。」
しゅん、とうなだれながらどいてくれたお兄様のことなど気にせずお母様の前にいきました。
「ユリニスト公爵夫人。ごきげんよう。」
「ごきげんよう。王太子妃殿下。」
堅苦しい挨拶だがそれが私の立場だ。
お母様は満足げに微笑んでいます。
「どうぞ、楽にして下さいな。」
これは、私たちの気楽にいつも通り話して下さい、という合図だ。
「ふふふ、サフィーだんだんと分かって来たじゃない。」
「はい、だってこれを完璧にしないとお母様お話してくれませんもの。」
意地悪げに話す母に私は内心で呆れのため息を着いた。
「あら、それだけではないわよ、あなたのその笑顔が崩れなくなったのもいいことだわ。」
「……ありがとうございます。」
昔から言われていた。王族たるものなんと言われようが笑顔を絶やしてはいけないと。
「笑顔って結構きついんですよ。お母様。」
「まぁ、それはそうね。……レイド、あなた、いつまでへこんでいるつもりなの!少しは妹を見習いなさい!!」
「……レイド、今すぐ立ち直らなければ明日にはあなたの婚約者を発表します。」
「それは嫌です!!俺にはサフィーだけですから!!」
と、言って先程のは嘘かと思うほど一瞬にして笑顔をつくり凛々しく立っておられます。
「全く、我が息子ながらサフィー離れができんことだ。」
そういって近づいてきたのはお父様でした。
「ごきげんよう。ユリニスト宰相。」
「ご機嫌麗しゅうございます。王太子妃殿下。」
「どうぞ、楽になさって?」
「サフィー、早速だがレイドがいきすぎるようならどんな手を使ってでも打ちのめして良いぞ?」
「あら、お父様。そんなこと分かりきっておりますわ?」
「うんうん。…ってなにが分かってるの!?サフィー!!」
全く、うるさいお兄様ですこと。
「ところでお父様。お顔の色が悪いですわ。」
「ああ、いや、それはだな……」
と、なんとなく感じていましたがやはりあのバカ王子だったようです。




