部位欠損
「スターク!! 腕が!!」
俺は思わず叫ぶ。
スタークとメーヴェのおかげで事なきを得た
俺だったが、どうやらスタークは違ったらしい。
赫灼ノ終焉を躱しきれなかったらしく
右腕が吹き飛んでしまっている。
いや、マジか、ゲームのNPCとはいえ
さすがに思うところあるわ……
「大丈夫だ! 問題ない!」
スタークはそう返してくるが
いや、『だいしょばない』だろ流石に。
「カシュー君、リーダーの腕は『教会』で治るわ! 今は、戦闘に集中して。狙われてるのは、今もカシュー君なんだから!」
え、治るの? 探索者の身体ヤベーな。
となれば、意識を切り替えなければならない
次にあの技が来た時、食らう確率が高いのは俺だ。
──しっかし、あの威力。
「チュートリアルさん、仕事してんのかね?」
──失敬な! 心躍る文字列が見えたので
興味が湧いたのは否めませんが
意識阻害、認識阻害は怠っていません!
え、こっちの声聞こえてんじゃん……そうだ!
「チュートリアルさん、ガルムあとどれくらいでイケそう?」
──はい、ガルムの『怒りモード』の発動条件は
体力の低下がトリガーとなっています。
私達と同様、生まれて間もないガーデンの
生成物である故か、ガルムもまた
基礎のHPが高くないようです。
──このまま攻め続けることが出来れば
間もなくガルムは倒れるでしょう。
そうか、もう直ぐか。
モチベ上がってきた!




