↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
32/81

答えのない問い(ジャンル:ショートショート)

答えのない問い


正直な所、よくわからない。訳のわからない数式が美しいのだと力説する彼のことが。

「なんでわからないんだ、この美しさ!完璧さ!見事さ!」

私はそっとため息をつく。文系に理系のよさなど理解できるものか。

「必ず答えがあるんだ。ステキじゃないかぁ。」

うっとりしてよくわからない数やら英語やらを見ている。

「数学はすべてのモノと繋がっているんだ。数字無しでは生きていけないんだよ!」

おそらくそれは、貴方だけだとちょっと言いたい。

「そして、すでにこれだけ完璧なところに完全じゃない、まだわからない世界が溢れているところにロマンがあるんだよ。」

左様ですか。ロマンといえば、恋愛しか思いつきませんが。

「ところで、今日の夕飯は何ですか?味噌汁と魚。と、いうことは和食、と。」

なにやら、手帳に書き込む。

「あなたと暮らしてから、毎日いろんな統計が取れて楽しいですよ。」

味を褒めることもなく、まずいということもなく、もくもくと食べる。

曜日と起きる時間について、仕事と疲労における口数の変化、子供の教育方針の違い、老後の生活などなどメモをたくさんしている。新聞もニュースも見ながら、たくさんのメモが溢れている。

女性の私の方が統計的には長生きなんだから、死んだら一気に捨てよう、そんなことを思っている。

「あなたと結婚して幸せですよ。」

よくわからないことの多い彼だが、彼よりもわからないのはそんな彼と四十年以上連れ添っている自分のことだ。

いつか彼のように言えるだろうか。にっこりとほほ笑んで、貴方と結婚して私も幸せです、と。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。