おかしな夫婦
長い戦乱の世が終わり、反乱軍は、ついに王国を制した。
とはいっても、王族を皆殺しにするというような野蛮なことはせず、穏便な形で旧王族たちは追放されていった。
「いいの?驕れる平家のように復讐されるよ?」
「いいんだ。僕にはチート能力があるから、やられてもやり返すだけだ。それより、僕と結婚してく王妃になってくれないか?」
えええええ。
突然のプロポーズ
まあ、やることはさんざんやってるから今さらではあるけれどさ。
「はい。私なんかでいいの?」
「その質問、失礼だよ。君のことを愛しているって言ってる僕にさ」
「だって、私は、日置籠郎だよ?」
「僕は比呂音代だもの」
そのセリフを聞いた僕の元に嵐のような感情が沸き起こった。
愛しの彼女が異世界で生きていたという喜び。
彼女を元の世界で失った時の悲しさ。
複雑な感情が入り混じり、そしてやがてそれは一滴の雫となった。
「泣くなよ」
「だって、だって……」
「この世界で2人で幸せな夫婦になろう」
私たちはその後、毎晩のようにベッドを軋ませ、5人の子どもをこさえた。
為政者となった私たちは、ディアール卿の意志を引き継ぎ、都市開発や農地開墾、商業の自由化を推進した。
異世界で男女の性別が入れ替わり、そしておしどり夫婦になる。
おかしなおかしな夫婦のなれそめの物語はこれにておしまいっ!
タイトルにはいろいろな要素を入れましたが、最後はいつもの性転換ラブコメにまとめちゃいました。