Sky Bird 1
「俺は、飛べない鳥だ。
周りのみんなは大きな翼を広げて飛んで行くのに…。」
「……。」
冬が終わりかけた静かな青空を見上げながら、
そう呟く彼を俺はただ見ていることしか出来なかった。
その沈黙の時間が同感も、
共感もするこっが出来ない自分の小ささを物語る。
彼の努力を知っているだろうか・・・、
彼の言う“周りのみんな”という人々よりも、
彼が頑張って来た姿を俺は見てきた。
それでも、彼は知ってしまった。
自分はどんなに頑張っても
“飛べない鳥” だと。
世の中には白鳥のように美しく飛べる鳥もいれば、
同じ白い鳥でも家鴨のような飛べない鳥もいる。
彼はこの世界ではその家鴨だったんだ。
こういう時、つくづく思う。
“神様は不公平だ”と。
神様はどうしてこんなに人間を色とりどりに作ったのだろう?
この世界というキャンパスに一体何を描こうとしたのだろう。
ただ、ポツポツと色をまばらに置いただけでは虚しい。
かといって、塗りたくり過ぎれば美しさも、それぞれの色もくすんでしまう。
神様は、人間に…
彼や俺に…
一体何を求めて居るんだ…?
その答えは何とも言葉に出来ない色であるんだろうと思う。
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