Sky Bird 2
「…でもさ、
飛べない鳥が飛べる瞬間、見たくないか?」
空を見ていた彼は、突然そう言って俺を見た。
さっきの消えそうな呟きとは打って変わって、
強く冷たい風にかき消されることなく、
その声は俺の耳へと届いた。
優しい目で笑っているけど、その口調からは力強い何かがヒシヒシと伝わってくる。
思わず、一歩下がってしまいそうになった。
『俺は飛んでやるよ。』
再び空を見上げたその背中から、
そう聴こえてくるようだった。
そうだ。
家鴨が飛べないなんて誰が決めた?
白鳥が必ずしも飛べるなんてことは決まってなんかない。
それと同じなんじゃないか?
このでっかい空を見ているだけなんてつまらない。
空は誰にも、飛ぶな、なんて言ってない。
飛びたいと思うなら飛んでくればいい。と言うように、
その青さが無言のままどこまでも続いている。
そう、飛べないと決めつけているのは、
大人〈ひと〉が作る“常識”という肩書きだ。
大人〈ひと〉は80%出来ないと思ったことは、無理だと決めて諦める。
1%でも可能性があれば出来るかもしれないのに…
たぶん、今の彼も…俺も、
知らない間にそんな大人になりかけていたんだ。
でも、彼はそれに気づいたんだろう。
だって彼は今、
初めてあったあの頃のような目をしてる。
夢を追いかける少年の目。
だから…
「……飛べるよ。」
お前なら…
俺達なら、きっと飛べる。
たとえ、飛べないと言われる鳥だとしても・・・
その背には翼があるんだ。
飛んでやろうじゃないか。
この大空を…。
ーーーENDーーー
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