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『026』
クローゼは店主に薬を渡した。
店主は薬屋をやるのに必要な鑑定魔法があった。
鑑定魔法があることで薬草や薬を鑑定し、買い取るのを行っているのだった。
店主はクローゼに言われた通りに薬を鑑定する。
なぜ鑑定を頼まれたかは疑問であるも、理由は聞くことはなく行う。
クローゼは厳しい視線を送り、鑑定の結果を待つ。
もしエマが言うように毒消しに薬の効果がないと鑑定されれば、エマの信用はなくなる。
当然にクローゼはエマに2度と薬の調合も森に薬草を取りに行くのも認めない考えだった。
逆に本当に毒消し薬であった場合は、エマの薬師スキルを認めるしかない。
直ぐに鑑定の結果は出る。
「鑑定の結果は毒消し薬です。毒消しの効果があります」
「毒消しの効果があるか」
「はい、あります。しかも、これは、凄い効果です。鑑定では、最上位の効果があるとなっていますよ!」
「最上位とは何だ、説明しろ?」
店主は鑑定に戸惑った。
なぜなら普通の毒消し薬だろうと思ったら、最上位に位置するほどの効果があると鑑定された。
長年、薬を見てきた店主でもこんな上位の薬を見ることはほとんどなかった。
だから薬を持つ手が震えていたのに、クローゼは気づく。
クローゼは手が震える店主は見たことがなかったので、この薬がとても価値のある薬だと判断せざるを得ない。
「薬には効果によって下級、中級、上級とあります。級が上がるほどに値段も上がります。いつもクローゼ様が購入される薬は上級か中級でございます」
「最上位ってのは、上級のことか?」
「上級の上の級ですね。素晴らしい薬です。失礼ですが、本当に婚約者様が調合されたのでしょうか」
「そうよ。私が伯爵邸で調合したものよ。最上位って嬉しいです」
どんな評価が下されるのかと緊張はしたエマだったから、褒めてもらって気分はいい。
これでクローゼから疑われることはないのだから。
(クローゼは、もう私を疑わないよね)
「エマ」
「はい」
「疑って悪かったな」
「いいのよ。私を、薬師を理解してくれたならいいのよ」
「俺の騎士団でエマの薬を使うがいいかい?」
「ぜひとも使ってください!」
クローゼはエマの薬師の能力を疑ったことを謝罪した。
そしてエマの薬が騎士団でも使えるとわかり、使用の許可を求める。
その顔は今までの冷たい顔じゃない。
(笑顔! クローゼが笑ってくれた!)
エマにとってはクローゼの笑顔が何よりも嬉しかった。
偽装結婚だとクローゼに説明されて暮らす日々。
そんな生活になかったのが笑顔だったから、エマには何よりも嬉しかった。
薬屋ではクローゼと一緒に店内を見るとなった。
薬を見るのが好きなエマには楽しい時間になった。
(ふむふむ、これは痺れを減少させる薬、こっちは胃の薬かな。面白いな)
薬師の好奇心をかきたてる薬の多さに、エマも笑顔であった。




