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『022』
トーマスとエマは薬草の採取を終えてクローゼの辺境伯邸に戻った。
メイドが辺境伯邸で待つ。
メイド服を着て並んで無事で帰ったのを迎える。
トーマスはメイドに優しく対応する。
クローゼ辺境伯が待っていると聞き、応接間に向かうとクローゼは座っていた
トーマスとエマにはいつもの冷たい顔だった。
「クローゼ辺境伯、森から帰りました」
「ありがとうトーマス。それでエマは採取の方はどうだったかな?」
「薬草は採取できました。森に行く許可のおかげです。また行きたいです」
「見せてくれ」
「はい、これが採取した薬草よ。効能は色々とあると思う。これを調合して薬にします。薬草に詳しいのかな」
「俺は薬草には詳しくない。見てもわからないな。調合は部屋でできるのなら部屋でやっていい」
「部屋で調合できますから、やってみます。見たいの?」
クローゼはエマが採取した薬草を見る。
薬草は数種類あって、並べられたがクローゼにはどれが何の薬草かは名前もわからない。
薬草はこのままでは、ただの薬草なため、薬草を調合して薬にすることで利用できる。
クローゼは調合はしたこともないし、見たこともないのは当然だった。
エマの薬師の仕事を見るのは婚約者として必要なのかというと、偽装結婚なので必ず必要とは言えないが、クローゼはエマの管理はしたいから、見ておく必要はあると思った。
「エマの仕事だから俺が確認しておく。見せてくれ」
「いいですよ。後で私の部屋に来てください」
(調合には興味があるのかな。私の部屋に来てくれそう)
エマはたぶん断られると思って言ったのに、クローゼから見たいと言われて意外な言葉だったと思う。
予想してなかったので、少しだけ固まる。
エマが固まったのを見ていたのはトーマスで、クローゼとエマの会話を聞いていた。
執事としても絶対にご主人でもあり、騎士団の団長でもあるクローゼには報告がある。
それはエマの薬師の能力。
クローゼに話して通じるかわからないが話すとした。
「クローゼ、エマ様の調合はお楽しみということで。私からエマのことで重大な報告があるのですが」
「報告? 薬草が無事に採取できたのは聞いた。他にあるのか?」
「あります。森で予想外の魔物と遭遇しました件です。エマ様といる時にキラービーの群れと出会いました件」
「キラービーの群れ! 俺も騎士団からキラービーの報告は聞いていたから、森に狩りに行った。キラービーは放置できないし、討伐は無理でも追い払うくらいはする。エマを護衛してくれたのは感謝する。ありがとうトーマス」
薬草が採取できたのなら、目的は達成したわけで、それはトーマスがエマを護衛したとなる。
キラービーが危険種な魔物なのはクローゼも認識していた。
以前からキラービーが出現すると聞く。
森は町の近くであるから、町の治安を維持する上で、キラービーをこれ以上は町に接近させない対応が求められた。
トーマスがいれば森の魔物でからエマを守り、そのおかげで採取に集中できたとクローゼは思う。
キラービーは強敵だが、トーマスがエマを護衛したことと勘違いする。




