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『021』
「ありがとう、エマ様のおかげで助かりました。私がエマ様を守る役目だったのですが」
トーマスはエマの近づきお礼を言う。
命を救ってもらったと言っても言い過ぎではなかった。
「た、た、た、た、助かって良かったです」
急にトーマスの美顔が接近してきたので、顔が赤く変色してしまう。
(近くで見ると、凄いイケメンです)
「どうかしましたか?」
「な、なんでもない。私のせいでトーマスが死んだら、申し訳ないですから。薬師の効果が効いている。キラービーはもう私達には攻撃しませんよ」
「エマ様の薬師の能力は不思議です。魔物を従わせる魔法はありますが、キラービー程の上級魔物を操作するのは困難でしょう。エマ様の薬は上級魔法よりも優れています」
「大げさですよ。それとこの回復薬もどうぞ使ってください。ケガが治癒できます」
「回復薬も作れるのか。使います。こ、こ、これは」
「ち、ち、近いですよトーマス!」
(急に接近してくるからびっくり!)
「キラービーの攻撃でかなりひどい流血とケガだったのが、完全に治癒された。効果からして上級の回復薬の効果があるのでは?」
「私は普段は戦いませんので、上級と下級の回復薬の違いはわかりません。でもトーマスは治癒できて良かった」
回復薬をエマは調合できる。
薬草に回復薬の効果のある薬草があり、薬草さえあれば調合可能。
回復薬には種類があり、効果の強さで分けられる。
上級、中級、下級の回復薬に分けられ下級は少しのケガを治癒できる。
効果は弱いが値段が安く設定させており、金のない冒険者には助かる。
もっと上の上級ランクの回復薬は効果は強くて、致命傷な状態でも治癒できる。
効果が強い分、冒険者は多く所有していたいが、数は少なくて値段が高いのがあり簡単には持てない。
トーマスも上級の回復薬は使うことはほとんどなかった程に高価なアイテムである。
そのレベルの薬をエマが使ってと言って来たから、トーマスはまたも驚いてしまい、エマの顔に近づいてしまったわけだった。
エマからしたら、そんな大げさな回復薬だと思っていなくて、トーマスの接近には戸惑ってしまった。
近くで見れば見るほどに美しい顔をしているなと思うし、トーマスには注意がいるとエマは考えていた。
なぜなら、日本ではこんな美しいイケメンな男の顔を近くで見たことはなかったから、慣れていないし、危険すぎた。
(キラービーは森でいつでも会えると思う)
キラービーとは森で別れて、エマとは今後は繋がっている関係になった。
王都の森で仲良くなった魔物がいて、その魔物とはエマが呼べば会える関係にまでなっていた。
周囲のエマの護衛は、そんなエマの薬師の能力には戸惑っていた。
護衛がエマを守るのが仕事なのに、エマは護衛が必要ないくらいに森や草原では生き生きとしていたのだった。
これがエマの持つ薬師のスキルで、エマの性格にあったスキルだった。
魔物と戦うのではなくて、魔物と仲良くしたいというのがエマの考えで、エマの考えと一致したスキルである。
トーマスは森での薬草の採取について、クローゼに何て報告したらいいのかと悩むのだった。




