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『010』
ユリウス第1王子は城で大喜びする。
エマとの婚約を破棄したのは大正解だった。
以前から国王の考えもあり、エマとは婚約は決まっていた。
国で名家の侯爵令嬢だし、第1王子のユリウスには文句のない令嬢だろうと国王も太鼓判だった。
エマと婚約して結婚するものと思っていたのだが、それは大変な間違いだった。
エマはとんでもない偽の薬師だったとユリウスは知る。
王都では有名な薬師で名前は通っていた。
王都の困ったことに薬師として貢献して救ったこともあったので国王からも大いに感謝されていた。
ユリウスもエマの薬師の能力には凄いと思っていた。
自分の正式な妻にするのに適任な女性だと疑うことができない令嬢だと。
エマとユリウス王子は王都のパーティーでも賞賛されていた。
パーティーでは一番のカップルだし、すべての貴族令嬢から最も憧れの存在なのがエマだった。
それは長くは続かなかった。
ある日に間違いだと判明したから。
ユリウスはエマに頼んで薬を調合して欲しいと言ったら、エマは直ぐに薬草を取りに行き調合した。
さすが婚約者だと思い、薬は各町に配布される。
ユリウスにはエマが素晴らしい薬師とさらに広まったことで、ユリウスは気分が良くなったのだが、これがエマとユリウスを決裂させることになった。
理由は、エマの薬を飲んだところ、病状は悪くなったし、悪化して死んだ人が続出したからだった。
信じられない話だったが噂は本当だったので、ユリウスは自分で確かめに行った。
確認したところ、エマの薬が原因で町の人は悪化していて、最悪の薬師、悪魔の薬だと聞こえたのは衝撃だった。
ユリウスは直ぐに王都に戻りエマに伝える。
その時にエマはユリウスをブチ切れさせた。
ユリウス王子が見てきた現状が嘘だと言ったのだった。
婚約者であるユリウス王子の言うことを否定したから、ユリウスにはショックだった。
言われたユリウスはこのクソ女と婚約は、どうするかを悩むことになった。
婚約は王子だけでなくて父親のヘデラー国王が決めたことだったから、国王にも影響する重大な問題になりえる。
ユリウスにはエマを疑い出す前からだが、別の令嬢と交流があって、レイチェル令嬢とは親交を深めていた。
レイチェル令嬢は貴族のパーティーで出会った。
レイチェル令嬢にエマのことを相談したら、はっきりと言って来た。
エマは偽者の薬師ですと。
ユリウス王子の名前で有名になりたいだけの汚い女なんですと。
それが今回の薬で発覚したんですと言って来たのは疑うよりも真実にユリウスには聞こえた。
レイチェル令嬢が言うにはエマは有能な薬師ではなくて、過去の活躍は全部嘘だと。
だからエマを信頼してはいけませんと訴えるのが、真実に思えた。
確かにエマはユリウス王子と婚約したことで得をしている。
エマはユリウスを利用して有名になりたいだけの令嬢で、このまま結婚するとユリウスが不幸になりますと言った。
エマはユリウスを不幸にする女だと言い切る。
そこからユリウスは父の国王にエマとの婚約は破棄すると相談した。
国王は息子の話を最初は疑うも、事実を確認したところ自自と判明し、息子の婚約者にふさわしい令嬢ではないと判断に至る。
別の令嬢との婚約が望ましいとなり、王都でも知られる伯爵令嬢のレイチェルを紹介し、婚約の話を進めた。
そしてレイチェル令嬢がユリウスの新しい婚約者になった。
エマは国王から婚約破棄を宣言されるとは想像もしてなかったが、裏ではレイチェル令嬢の動きがあったのだった。




