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幼女転生だとぉ!!〜あの日舞い降りたオレの天使へ❤︎返せぬ想いは異世界で  作者: 里井雪
結婚

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婚姻とは

 で、まぁ、夜は二つベッドがあるのに、一つに姫と二人。あっ、このキスの仕方は、まだ、話したいことがあるって合図だな。


「ねぇ、ドロシーの事なんだけど」


「私的には、妹というか……」


 言い訳みたいな発言をしちゃうのは、なぜ?


「アハハ、私が嫉妬するとでも?」


「いや、そういうふうには思ってないけれど……」


「私たちの養女にしちゃうって、どう?」


 え!!! 姫の提案は、斜め上というか、オレが全く想像していないものだった。


「って、待って、それは、私たちが夫婦になる、という大前提があるはずだし」


「そうよ。いいじゃない、父も了解してくれる、と思うわ」


「否があるわけではないですが、早急すぎるというか、プロセスを飛ばし過ぎというか、そもそも、この世界の同性婚って?」


《なんだか、話が噛み合っていない気がするのだが》


《ああ、主様の前世とは、いろいろ違うからのぉ〜 姫から詳しく聞いてみてはどうじゃ?》


「どうしたの? そんなに慌てて」


「どうも、この世界の結婚観は、私が知る前世のそれと、随分、異なるようなのです」


「ああ、なるほど! 特にエルフは、この世界の中でもかなり特殊な背景があるかもしれないわ」


 と、言って、姫は驚愕の結婚観というか、生殖観を説明してくれた。


 まず、エルフは子供ができにくい。女性の排卵は年に一度くらい、人族に比べ寿命が十倍もあるエルフだが、「タイミングを計る」ことを考えれば、少な過ぎる頻度だ。


 さらに、たとえ受精しても流産、死産する確率は人族の約十倍といわれている。加えて、その影響での母体死亡率も極めて高いらしい。


 そんな事情で千年ほど前、エルフの人口は激減し絶滅の危機に瀕していた。だが科学技術をすさまじい勢いで進化させたエルフ族、なんと千年も前に人工授精の技術を開発してしまった。


 しかも、旧地球の人工授精などという生やさしいものではない。髪の毛から当人の遺伝子を持った精子と卵子を安全に作る魔法技術を開発した。前世のiPS細胞技術といったところだろう。


 これらを受精させ、さらに、すごいんだよ! 人口子宮で育てることで妊婦の流産リスクを回避することにも成功している。


 すなわち、エルフ族にとっては、カップルとなる者の性別など千年前に意味をなさなくなっていた。ああ、だから、同性であるオレを何の抵抗もなく姫は受け入れたんだ。


「愛し合う二人が、一緒に住んで、同じベッドでいろいろするのは当たり前、というか、当人同士の自由。だけど、結婚というのは、財産分与を決める契約みたいなものでしょ?」


 結婚観も大きく違う。姫の言うように、成人したカップルが同棲する、セックスする、などということはエルフ族の憲法にも定められた、何者にも犯されぬ天与の権利とされている。


 一方、結婚する、籍を入れる、というのは、相続、財産分与するための「契約行為」と見做されるらしいのだ。


 だから、姫の「結婚してドロシーを養女に」は、恋愛うんぬんとは全く別の脈絡を持つ、「こういう成り行きになったので、先々に禍根を残さないよう、相続問題をはっきりさせておきましょう」ってことだ。


 さらに、姫が「父の許可」と言ったのは、姫も両親から財産を相続するわけで、被相続人の了解がなければ契約が成り立たないという、ごくごく事務的な話だった。


「なるほど、理解しました。ドロシーの年齢は知らないけれど、彼女は私たちより長生きするはず、ならば、彼女の将来を考えておくべき、ということですね」


「ええ、そう。もちろん、私もドロシーのことが大好きだし、是非、家族になりたいって、思っているわ。でも、結婚や養子縁組というのは、大切な家族の将来を考えて、お金の問題を明確にしておきましょう、という意味かな? じゃ、これくらいで、いいかしら」


 ああ、このキスわぁぁ❤︎❤︎❤︎




 翌日、オレたちは、なんと大統領専用リムジンでメロディーランドまで送ってもらった。って、魔石動力の馬車ってことだけどね。オレたちのと違って八人乗り、二人ずつ向かい合わになるボックス席が二つあるタイプだ。


 普通の馬車の二倍ほどの車長があるので、リムジンと言ったんだよ。ヤヤルはギルドの業務があるので、朝早く別の馬車で送ってもらったようだ。


「コレ?」


 ガラスに見える窓を叩いて確認するオレに姫が。


「うん、多分、私の魔法に近い、物理魔法防御がかかってるわね」


《防弾ガラスってところだね》


《うむ、姫の魔法ほど強力ではないが、鉄棒で叩いたくらいでは割れぬじゃろうな》


「では、夕刻、お迎えに上がりますので」


 という、至れり尽くせりの台詞を運転手が残し、リムジンは帰って行った。


 ところで、遊園地なのだが、ゲートがあって、入場券を渡してって具合。ホント、かつて日本の浦安にあったアレとまったく同じシステムのようだ。


 この世界そのものがファンタジーワールドなのだが、中の街並みはやっぱり中世風、デフォのノイシュバンシュタイン城風施設もちゃんとある。


 さてっと……。

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