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幼女転生だとぉ!!〜あの日舞い降りたオレの天使へ❤︎返せぬ想いは異世界で  作者: 里井雪
冒険者

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馬なし馬車

 早々に宴会突入と思ったのオレだが、ジャンとドロシー、その前に、何やら用件があるらしい。


「あの、姫様と姉御に、お見せしたいものが……、なので、リムゲイムさん、レンカさん、ハーフ(約1時間)後に人魚亭集合ということで」


「了解しました。では、その頃に」


「早めに片付け、先に行って、待ってますね」


「我儘言ってすいません、よろしくお願いします」


「で、ジャン、なに、なに?」「なんだろ?」


「あ、ドロシー、回して来てくれるかな?」


「はい」


「しばらく、ここでお待ちください」


 どうしても、サプライズにしたいジャンは、数分の勿体をつけた。


「どうぞ、表へ」


「え!!」「これは……」


 屋根付きの馬車といえば、そうなのだが、馬がいない、軛もない。御者台には、ステアリング・ハンドルのようなものが付いている。


「いやぁ〜 五人パーティとなれば、移動も大変かなと思いまして」


「私が動かしてるんだよ」


 御者台のドロシーが笑顔で叫んだ。


 ああ、なるほど! パペッティア(傀儡師)、広義には無生物を動かす力を持っているともいえる。馬車を改造し、魔法を付与するという意味での「魔改造」すれば原理的には彼女が動かすことも可能だ。


 だが、馬車のように重い物を動かせば、パペッティアの魔力、MPが持たないと思うのだが……。


「俺、ドロシーと考えたんすよ、コレ、車輪を回す魔道具も付いてるんです」


 おおおおお! なるほど、ハイブリッド車ってことね! 凄い発想じゃん。


「ねぇ、ねぇ、こういう箱物なら、クリティが御者台に乗って、飛ばしたりワープさせたりできないの?」


《ちょ、ディア、オレたち、用意周到、動脈硬化、なんじゃね?》


《いや、恐れ入った、人、侮りがたしじゃのぅ〜》


《エルフとオーガ含む、だけどな》


「できますねぇ、今から街の外まで行って、試してみましょうか?」


 そうなのだ、オレが飛ばしたりワープさせたりする物、その質量についての制限はほとんどない。てか、街ごとでも大丈夫っちゃぁ、そう。


 とはいえ、動かす空間の切れ目をちゃんと認識していないと、ワープの際、スパッと切れちゃうという点については前に説明した。だけど、馬車という超分かりやすい目標物があれば簡単じゃん!


 ギルマスとレンカに人魚亭集合の時間を、さらにクオーター(約30分)ずらす、お願いした後、ドロシーが馬車を運転し、街外れの目立たない場所まで移動させた。


「じゃ、飛ばしてみますね」


 オレは静かに馬車を離陸させた。揺らさないように真っ直ぐ上に、上に。おおお、行ける、行ける、全然OK。続いてワープしてみた、フルシュ王国の宮殿上空まで。


「ねぇ、クリエティ」


「ああ、姫、そんなに乗り出したら、危ないですよ」


「いっそのこと、みんなの宿泊先はここにしたら? 今夜、お父様と話をつけるから」


 って、おいーー、冒険者風情の宿が王宮だと! まぁ、姫とオレ二人はそうしようと話し合ってたけど。と、思いつつも、オレはワープでネルヴェに戻った。


 再びドロシーに運転を代わってもらい溺れる人魚亭に向かった。店に入るとすでにギルマスとレンカは席座ってビールを飲み出していた。


 オレたちも席に付くと、ほどなく、今日はお祝いということかな? ギルマスが注文したポークナックルが運ばれて来た。このメニュー、ネルヴェ名物なのだが、なんのことはない豚の丸焼きだ、でも、なぜか、ど真ん中にナイフが突き刺さっている。


 オレたちはビールだが、ドロシーいいのかっ!


「レディの歳は内緒だけど、少なくとも私、二十歳は超えてるわ」


 って、何よ? ソレ、旧地球の基準に過ぎないだろがっ。


「まま、クリティさん、そう固いことは言わず」


 ギルマスがオレの表情を見て取り成した。ああ、この人、鋭いからなぁ〜 なんでもお見通しってか?


 みんなでビールを飲み、再会を喜び、これからの方針について語り合う。って、姫、王様の承認もまだなのに、王宮宿泊が既定事実になってるけど。


「では、冒険者ギルドの拠点はこの街、宿泊はフルシュ王国、順番に各国を回りながら、ということですね」


「はい、一週間後のエリナ合流までは、パーティ連携の練習を兼ねて、手頃なクエストをこなそうとも考えております」


「了解しました。ちょうど、いいのがありますよ、ですが、詳細は明日にしましょう」


「そう、そうです! 野暮なお話は明日として、今日は再会祝いっすから、飲みましょう、飲みましょう」


「ジャン、飲み比べ、また、やる?」


「そ、それだけは勘弁っす、姉御」


 夕食後、ジャンとドロシーは溺れる人魚亭に借りている部屋に戻り、オレと姫はギルド中庭を使って姫の居室にワープした。


「遅くなったけど、お父様にお話ししてくるわね。クリティはシャワーでも浴びてて」


 て、いいのかっ、もう日付変わるくらいの時間だけど。と、思ったが、すぐに姫は戻って来た。


「了解をとったわ」


「即断即決?」


「普通、そうじゃない?」


 ルル姫の兄と姉はすでに独立しているので、この王宮を出て同じ敷地内の離宮に住んでいるという事情もあるが、王様、「部屋は空いているから自由に使え」と、太っ腹なところを見せてくれたようだ。


 フルシュ王、即断即決だけではなく、ずいぶん気を回してくれたようで、馬車用の車庫も裏庭の納屋を改造して準備してくれるらしい。


 納屋の改造など全ての準備が整うまで、一週間ほどかかるとのことだが、ちょうどエリナの合流とスケジュールが合いそうだ。

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