↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼女転生だとぉ!!〜あの日舞い降りたオレの天使へ❤︎返せぬ想いは異世界で  作者: 里井雪
ネルヴェ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/144

異世界の宗教

「ああ、それは……。天啓でもなんでもなく、貴女のような人知を超えたステータス、神の思し召により降臨された方に違いない、と考えただけです」


「随分と買い被られたようですが、仰りたいことは理解しました」


「ですので、貴女がお探しになっている方との出会いも、神のお導きによるものとなるでしょう。ならば、貴女がそのお方に気付かぬはずもない、と思いますよ」


「それを聞いて安心しました。神は転生を操り、皆を導こうと考えておられるようですね。逆に考えると、神は直接、世界に干渉できない、あるいは、神から見た倫理的な問題で、過度の干渉は控えている、のでしょうか」


「後者のように思いますが、そこは、神のこと、私たちには窺い知ることもできない、何か? かもしれませんね。ああ、もうこんな時間、よろしかったら、昼食を食べていかれませんか?」


グーー


 ああ、恥ずかしい!! ここで、腹がなるかぁ!!


《て、オレ、食べなくても死なないの?》


《当然じゃ、腹が減るのは前世のスーブニール(記念品)のようなものじゃな》


「ああ、豪傑も空腹には勝てませぬな。レンカ、お願いする」


 ほどなく、レンカがサンドイッチと冷たい飲み物を持って来てくれた。二人で運営している小規模ギルド、受付嬢といっても、いろいろな仕事をこなさないといけないらしい。


 飲み物は、地球の紅茶によく似た味がした。ベルガモットの香りはアールグレイといったところか。サンドイッチの方はハムとレタスを挟んだシンプルなものだ。ちゃんとバターと辛子マヨネーズが塗られている。


 オレがよく読んだ異世界物では、マヨネーズを特別な地球文化として扱っていたように思うが、卵とビネガーを混ぜるという発想さえあれば、特に難しい食材でもない。


 後は、サラダ油、胡椒、砂糖、塩、辛子くらいだろうか。この手のもの、その代替となるようなものが、この世界、地球によく似た世界に存在したとして、特に不思議はないと思う。


「ああ、コレ、なんだか懐かしい味です」


「うまい言い方をなされる! 同じようなものが地球にもあるのですね!」


 ああ、なるほど、オレは「サンドイッチは地球にもある」と喋ることはできない。だが、「懐かしい味」という曖昧な言い方、地球に限ったことではないとも解釈できる言葉なら、大丈夫ということなのだろう。


 転生を研究しているリムゲイムだから、その一言で地球に似たものがあったと推測できる。うーーん、なんだかゲームのようだ。


《言っておくが、主様、今、お主は、豚の死肉を食しておるのじゃぞ》


《死肉、言うな!》


《客観的事実を言ったまでじゃ》


《ああ、分かっているさ、地球、もちろん、この世界も、人、現生人類の所有物ではない。全ての生きとし生けるものの共有財産だ。それは心得ている。そして、人というものは、他を殺さなくては生きていけぬ業の深い生き物。だから、ディアの論理は、ある意味、正しい。反論はできない、だがな》


《なんじゃ?》


《最低限の殺しというものがあるはずだ。それこそがルールなのだろう》


《ふふ、苦しい言い訳、大人の理屈じゃな? 妾とて星を丸ごと壊す魔法は、躊躇ったものじゃ》


《落とし所を見つけるべき、ということか?》


《じゃな、マサヨシ、お主、大人になったのう》


 そうかもしれない。オレがグレていたのは、自身の精神年齢が低かったからだけ、それは分かる、痛いほど分かる。消えいりたいくらいに恥ずかしい黒歴史だ。


 だが、だけど、こうやって、落とし所を常に探る、大人の文化というものが、よいもの、とも思わない。何か、どこかが違うだろうという、違和感もまだまだオレの中に燻っている。


「リムゲイムさんが転生者だったというのは、何かの運命でしょう。百術千慮のお心遣い、痛み入ります」


「いえいえ、きっと、私が貴女を助けるというストーリーも、神の御心に叶うことなのだと思います」


「そうなのでしょうか? ということは、私が自然に行動していれば、いずれ神のお導きがあるのだと」


「自ら道を切り開く、などと肩肘張らずともよい、と思いますよ。きっと神の配剤と思える出会いがあります」


「『他力本願』の真の意味ですね」


「おおお! 先ほどから、クリティ殿には、素晴らしい情報提供をいただいております。地球には宗教というものが存在するとまでは、知っていたのですが、わが世界の倫理観に近い教えを持つ宗教もあるのですね!」


「この世界に宗教はないのですか?」


 「教会」と言おうとして言えなかったが、その意も含め、リムゲイムが解説してくれた。


 社会の一般常識、倫理観という言い方が正しいだろうか。この世界の人々、神を信じてはいるが、これを崇める組織・団体は存在しない、ということだ。


 すなわち、神への崇拝を具現化することは、愚かなる人や亜人が、何らかの形で神を「定義」してしまうこと。それは、大変、不遜であり、禁忌とされているのだ。


 従って、神の偶像や礼拝施設などは一切存在しないし聖職者もいない。神は人の心の中にのみ存在し、その御心のまま、自然に生きることこそ、人のあるべき姿、ということになっている。


 まぁ〜 アレだね。オレにとっては好都合この上ない。いや、そりゃそうだろ? オレ、悪魔だぜ! 異端審問官とかいたらさぁ〜 とっても面倒なことになるからな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 12/12 ・悪魔が神に祈る。楽しいですね [気になる点] 肉ですか。ちょっと人のハラワタを食う妄想をしてみました
2023/02/21 15:32 退会済み
管理
[一言] ふむふむ。 神さまが存在しないという事は、ディアボロは悪魔なんだけど、 ウチらの言うところの悪魔では無い存在になるわけですな! 闇魔法的な? 禍々しい感じではなくて、穏やかな感じ? 迫害され…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。