魔王の日常
小1の初の自己紹介で爪痕を残し、あだ名が魔王さまとなった私。
立派な中2病を目指し始まった生活もどうなったかというと…
「おはよー!まちゃ!宿題やってきた?」
「あー、算数ドリルの16ページでしょ。やったよー」
「えー、ちょっと答え見せてよー」
「ん…んんっ!我が知識の断片を授かろうなど、見返りは決して安くはないぞ?」
「まちゃ、また魔王になってるー(笑)」
現在小学3年生。中2病になろう計画は続行中。
今は中2病語をマスター出来ていなくて、まだまだ普通の言葉が出てしまう
案外と難しい!中2病語!
周りの私への関わり方としては、
【魔王さま】というあだ名も、気付けば【魔王ちゃま】から変化して、【まちゃ】で定着し始めている
3年生でクラス替えもあったりしたけれど、元々名前が【真央】なので、誰も不思議に思わない
学年が上がるにつれ、段々と変わった子という印象はあるようだけど、それで、ぼっちになる事はなかった
そして、そんな私にも仲の良い友達も出来た
さっき、宿題の答えを見せて。と言ってきた髪がふわふわした女の子は、同じクラスの【ゆうな】ちゃん
ちなみに、ゆうなちゃんは前の人生では、小学校の頃はあまり話をした事がなかった。中学からゆうなちゃんは、私立中学に進学したので、関わりがなかった
「おっはよー!魔王!!」
元気良く肩パンしてきた、この子は【詩音】
1年生の自己紹介の時に
「うわっ…めっちゃカッコいい!本当に魔法とか使えるのかな?」
と目を輝かせる男子…と思っていたこの子は、実はボーイッシュな女の子だった
ごめん!詩音!!
彼女の活発さは、見ていて気持ちが良い
そして、彼女は未だに私を【魔王】と呼ぶ
詩音は、前の人生では、小学、中学で何度か同じクラスになった事もあったけれど、スポーツ女子でカースト上位的な存在だった為、詩音とも関わる事はなかった
「この闇に侵そうとするか……無謀なる者よ。肩パンの代償は、貴様の魂を永劫に蝕む。」
「いやー、いいね!今日も良い魔王っぷりだねー!あ!今日の放課後、またラン・ラン行こうよ!」
ラン・ランとは、近所の駄菓子屋さん
この地域の子は、よくラン・ランで遊んでいたりする
「良かろう!ゆうな殿も我が道に同行出来るか?」
「あー、ごめん!今日はピアノの日なんだよねー。今日は2人で行ってきて。私は明後日一緒に行くよ」
「ほんじゃ、魔王、今日は2人で行こう!」
生まれ変わって思ったけど、案外と小学生の生活って楽しい
ラン・ランは、今日も近所の子どもたちが集まっている
古民家をリフォームしたお店は、どことなく温かな雰囲気で、小さいながらもなかなかの品揃えなのが人気の理由だったりする
そのお店の前にあるベンチで、詩音と2人並んで座る
「あ、そうそう。魔王さー、坂口って知ってる?」
詩音が棒アイスを食べながら尋ねてきた
「坂口?新たな刺客か?」
「3組の子なんだけど、魔王とタイプ似てるんだよ」
「我に似ていると申すか。どのあたりが我と共鳴しているのか?」
「魔王口調なところかな?なんか、女子に人気らしいよー」
へぇー、私以外にも、この歳で中2病の子がいるのかー
「ほう……我がほかに、その言葉を紡ぐ者が現れるとは。試す価値があるかもしれぬな。」
「そしたら、今度声かけておくよー。魔王と気が合うと思うんだよねー」
坂口…坂口…なーんか聞き覚えある気がするけど…誰だったかな?
前の人生で聞き覚えがある気がするけど…
んー、思い出せない
ま、今度、詩音が声かけるらしいから、その時に顔を見たら思い出すかな?




