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9 ユニークスキル

「えっと、歳は十七で、生年月日は...」


異世界語が書けなかった俺は現在、受付さんに代わりに書いてもらっている。書けないと判明した時は受付さんとナバルに哀れな目で見られたが、遠くの国に住んでいた、こっちの言語は分からないと嘘を並べたら意外と納得をしてくれたようだ、


「こちらで大丈夫でしょうか?」


受付さんが用紙を俺側に向けてくる。大丈夫だ、間違っている所は何も無い。


「はい、大丈夫です」

「分かりました。では、こちらのクリスタルにカチッと音がするまで力を込めてください」

(何故カチッとなんだ...)


そう言って受付さんが出して来たのは手に収まるサイズの緑色をしたクリスタルだった。


「これって何ですか?」

「力量を確認する『ステータスクリスタル』です。これを基に職業適性を調べます」


受付さんから受け取り、俺はそのクリスタルに触れてみる。するとそのクリスタルは淡い光を放った。


「力を込めれば良いんですね?」


ここでテンプレなのが俺がめっちゃ強い力を出してクリスタルが壊れるとかだが、所詮俺は元の世界では普通の一般人、そんな力が出る筈もなかった。


「もう少し待ってください」


受付さんがそう言うのと同時に、クリスタルから淡い光の他に、赤い光が漏れ出したのが見える。


「おぉ、そいつはユニークスキルの証だな」


後ろからナバルが話しかけて来た。それよりもユニークスキルだって?


「ユニークスキルって、俺一人だけ持てるスキルみたいなもんか?」

「その通りだ、良かったな」


ユニークスキルか...。正直俺は少し驚いた。だって唯の一般人だし、特に何も取り柄はなかった筈だ。


「もう離して大丈夫です。では、検査が終わるまであちらの部屋でお待ちください。マコト様はユニークスキルをお持ちですので、少し時間がかかると思われます」


そう言われ俺はさっきのドアへと歩き始めた。


「じゃあなナバル、先行くぜ」

「おう」


ナバルに挨拶をし、俺はドアを開けた。中は特に何もなく、唯テーブルと椅子が並べてあるだけの、病院の待合室みたいだ。椅子にはさっき並んでいた冒険者達が座っている。


「トーマ様、トーマ・クック様」

「あ、はい」


待っていた冒険者が呼ばれ、さらに奥の部屋へと連れていかれた。

確か、ユニークスキル持ちだから少し長くなるって言ってたな。まあ気軽に待つか...。






「ユニークスキルって、どんなのがあるんだ?」


俺は待合室に来たナバルにそう言った。ユニークスキルについてだ。


「本当に色々あるぜ、身体強化系、魔法系、精神強化系、工作系とかな」

「へぇー、色々あんだな」


個人的に一番気になっているのは魔法系だ。超火力の魔法とか打ちたいですし。無双したいですしおすし。


「マコトさーん、マコト・シラカワさーん」

「...」

「おい、お前だぞ、行けよ」

「はっ、はい!」


慣れない名前で呼ばれたもんだから、忘れていた。俺はマコト・シラカワだった。


「ではこちらに」


案内されたのは更に奥の部屋。中には結構イケメンな青年が椅子に座っていた。

俺はその机を挟んで反対側へと座った。


「マコト・シラカワ様ですね?」

「そうです、で?僕の適性は?」

「体力、魔力、知力、筋力、運全て平均値です、まあ若干知力が高いぐらいですかね」


俺からしてみれば当然な結果だと思った、まあ最近まで高校生やってたし知力が少し高いのも頷ける。だが、肝心なのはステータスでは無い、ユニークスキルだ。


「で?ユニークスキルは?」

「あ、その...」


俺が問うと青年はとても申し訳なさそうな顔をした。そんな事は良いから早く教えて欲しい。焦らしプレイは好きでは無い。


「良いから早く言ってください!」

「...分かりました、あ、あなたのユニークスキル名は『動物愛好家』です!」


「...は?」


僕は動物好きです。特に猫が。まあ飼ってませんが。

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