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卓球ノート  作者: 誠也
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神童張野

三回戦の相手である張野くんは中学一年生にしては背が高く、165cmはあり、俺と同じくらいだ。お互いベンチにバッグを置く。バッグからラケットとタオルを取り出して台へ向かう。大一番だな。この試合勝てれば優勝が近づく。


「タイム」


審判が練習の終わりを告げる。試合が始まる、集中力を上げろ、最初からエンジン全開だ!

一ゲーム目、サーブは俺からだ。一回戦と二回戦で見せていない取っておきのサーブがある。ずっと練習していた巻き込みサーブだ。徹の母さんからアドバイスをもらってやっと完成したこのサーブ、回転は逆横下回転と逆横上回転を同じモーションで打ち分けられバウンドも同じ跳ね方をする、さらにスピードのあるロングサーブだって同じモーションで出せる。そんな取っておきのサーブを使って試合を組み立てていく。序盤サーブが効きサーブではこちらがキープし、レシーブからの展開は張野くんがキープする。しかし、張野くんの順応性が高く、一ゲーム目終盤サーブに対応してくる。結局、9-11で一ゲーム目を落とした。

二ゲーム目サーブが効かなくなったことからこっちが攻めるチャンスが回って来なくなり、7-11で二ゲーム目も落としてしまった。

強い、俺の得意なラリーに持って行っても向こうの方がさらに1本確実に返してくる。レシーブも技術が高い、上手くチキータで返されて回転をわかりづらくしてるのに関係ないって感じだ。どうしたらいい・・・。ふと振り返ると父さんと母さんが見えた。そうだ、父さんと母さんが応援に来てくれてんだ、負けてても最後まで全力で行くんだ。

三ゲーム目、サーブを巻き込みサーブから変えて、ぶちギレの回転が出せるサーブにした。回転量が多ければそう簡単にチキータはできないだろ。二ゲーム戦って気付いたけどフォアよりバックの技術が高いような気がする。狙いをフォアに変えつつ、寄せることができたらバックと時折ミドルを突く。試合の流れが徐々に変わってきた。このままなら行ける、そう思った時だった張野くんの打球のスピード、回転量が跳ね上がった。まだ全力じゃなかったのか、くそ。そのまま試合は進み8-11で俺は負けた。

張野くんと握手を交わし、俺はベンチに戻った。

終わった、俺の初めての全国大会はこれで終わりなんだな。なんか終わりは呆気なかった。徹の母さんにいろいろアドバイスをもらって強くなった気でいたけど、全然だった。上には上がいる。悔しい、悔しい、悔しい。俺はまだ強くなるぞ、強くなってまたここに戻ってきてやる。

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