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卓球ノート  作者: 誠也
15/40

対高校生

今日は全日本ジュニア選手権庄原市予選ということで庄原市体育館に向けて真壁先生の車で移動中だ。


「ふぅ~。」

「どうしたの純?」

「いや~、まだ大会って慣れなくて緊張がさぁ~。」

「そっか、少しずつ慣れていくしかないね。」

「皆着いたよ!」


庄原市体育館に着くとこの前より多く百人くらいの人がいた。俺達はストレッチを済ませて、体育館の入口前で開場を待つことにした。


「おーい、山本くん。」

「あ、水川くん。水川くんも出るんだね。」

「もちろん。山本くんとはトーナメントの山が反対だから当たるとしたら決勝だけどね。そうだ、今度練習試合しようよ!」

「うん、いいね!先生に話してみようかな。」

「絶対だよ!あ、開くみたいだ。またね!」


体育館に入り、練習を始める。周りの高校生を見るとこの前の大会より強い人が多いのがわかる。あ~楽しみだ。開会式が終わり、試合のコールがかかり、俺の名前が呼ばれた。


「じゃあ皆行ってくるよ。」

「頑張れ、純!」

「純、この大会ベンチコーチがつけるから僕がついてくよ。」


明達に背中を叩かれ、徹とコートに向かった。俺の一回戦の相手は西城南高校の浜本さんだ。いきなり高校生だ。台に入り練習を始める。打球はいつも明達と打ってるくらいの強さだ。ラケット交換をするとシェークでフォアが裏、バックが粒高になっていた。つっ粒高!初めてだ!どんなだろ?じゃんけんをして俺がレシーブで試合開始となった。


パチパチパチパチ。


「先一本!」


よし。えーと、粒高ってそのまま打つと打球が滑って、こっちが上回転をかけたら下回転、下回転をかけたら上回転で返ってくるんだっけ。浜本さんの打ち方に注意してやらないとな。浜本さんのサーブ、フォア面で下回転サーブを出してきた。長かったので回り込んでドライブする。浜本さんはバックの粒高でブロックする。連続でドライブしようとしたら、打球が落ちてネットにかかってしまった。いけね、さっき注意するって考えたばっかしなのにミスった。そうだよな、ドライブをかけたらそのドライブの回転が自分に返ってくるんだよな。次は落とさないぞ。浜本さんはまた長めの下回転を出してきた。ドライブで返すと、さっきと同じようにバックの粒高でブロックしてきた。今度は少し下から上にスイングしてドライブをかけボールを持ち上げる。浜本さんはまた粒高でブロックをする。しばらくドライブ対ブロックが続き浜本さんが先にミスをした。


「「よーーよーよー!」」


よし、まず一本。でも俺が必死に打ってるのに浜本さんは当てるだけだもんな、なんかわりにあわねー。粒高は厄介だからフォアを攻めてみようか。俺のサーブ、粒高には何がいいんだろ?回転をかけたら逆回転になって返ってくるから、上回転サーブを出して下回転で返ってくるのを三球目攻撃しよう。バックに上回転サーブを出すと、浜本さんは当てるだけのレシーブをしてきた。それをフォアにドライブ。難なくブロックされるがそれをバックにドライブすると、いいコースに行きバックを抜けていった。


「「よーーよーよー!」」


よし、いい感じだ。そのまま1ゲーム目は進み11-9と接戦で取ることができた。台にラケットを置き徹のもとに向かう。


「純お疲れ。相手の浜本さんバック面粒高だね。」

「うん、ちょっと厄介。」

「でも、初めて粒高ラバーの相手をするにしてはいい戦いかたができてると思うよ。じゃあ僕からちょっとアドバイス。今純は上回転サーブしか出してないでしょ、粒高ラバーにはナックルも効くんだ。相手のバックにナックルロングサーブを出してみて上手く行くと思うよ。あと見た感じ浜本さんはドライブとかで攻撃するようなタイプじゃ無いから粒高で返ってくる球がキツイと思ったら一旦繋ぎの球を入れても大丈夫だと思うよ。粘り強くやってね。」

「りょーかい。じゃあ行ってくるよ。」


粘り強くか、確かに長い試合になりそうだ。2ゲーム目は徹のアドバイスをもとにナックルロングサーブを使って攻めてみた。上回転のサーブよりチャンスボールぽいのが何本かあり、効果的に攻めることができた。でもやっぱり粒高のブロックが厄介で得点するのに体力を使う。フットワークの練習しててよかったかな。試合は5ゲーム目に入り、カウントは9-7で少しのリードを取った。徹も試合のコールが入りベンチにはいない。あと2点、なんとかもぎ取るぞ。浜本さんのサーブ、今まで出してこなかった横上回転サーブがきた。不意をつかれた俺は当てるだけのレシーブになった。浜本さんは三球目攻撃をしようとするが、準備ができていなかったのかミスをした。あと1点。浜本さんは長い下回転サーブを出す。俺はフォアにドライブを返すと、ブロックで返された。そこからまたドライブ対ブロックの流れとなり、十球目の俺のドライブだった、打球が台のエッジに当たり、その球に浜本さんは反応できず、俺の得点となった。エッジに当たるとは浜本さんごめんなさい。でも勝ちは勝ちだ。浜本さんと握手をして、その場を後にした。高校生と試合してもやれるもんだな、なんか自信がついてきた。二回戦も頑張るぞ!

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