第157章 沈みゆくメガシティと再生の潮騒
第157章 沈みゆくメガシティと再生の潮騒
春。
新形県南部に広がる越後盆地。南大沼の山々に抱かれた、六日町。
時価総額130兆円を突破し、国連における新法規採択、専属オーケストラ『六日町・フィルハーモニック』の創設、完全全固体バッテリーの実用化、JR貨物を劇的黒字化させた軌陸トランスライナー、そしてインフレ率80%に苦しむスーダン経済の完全再生に至るまで、全地球のインフラと命を救い続けてきた「南越急行ホールディングス」。
その六日町本社タワー最上階の最高経営責任者(CEO)室に、東南アジアの雄——インドネシア共和国の大統領特使および首都移転庁長官が、極秘裏に訪れていた。
テーブルの上には、南越ビバレッジ特選一級品の温かいジャスミン茶と、南越アグリの新米『新形黄金』の特製和菓子が並んでいる。
「篠原CEO、大石専務、古賀副社長……! 世界一のインフラ建設力と宇宙輸送・全自動施工技術を持つ南越急行グループに、我が国の命運を託したく参りました」
特使は緊張した面持ちで、黄金の国章が刻まれた分厚い国家プロジェクト計画書を差し出した。
それは、ジャワ島にある現首都ジャカルタから、東カリマンタン州の熱帯雨林地帯に建設中の新首都『ヌサンタラ』へ、大統領府、全省庁、最高裁判所、国会議事堂、ならびに全公務員数十万人を一括移転させる『国家中枢・新首都お引越しメガプロジェクト』の全面委託要請であった。
提示された契約規模は、移転ロジスティクス、新首都のスマート庁舎建設、高速鉄道・新交通システムの整備を含め、総額「十兆円」におよぶ超巨大案件であった。
「南越急行グループの全自動AI施工部隊『サハラ・ラビット』や、本産自動車の自動運転フリート、南越通商の輸送船団をお借りし、わずか一年で政府機関の全機能を新首都へ移設していただきたいのです」
古賀副社長が腕を組み、豪快に眉を上げた。
「十兆円の引越しプロジェクトか! そいつはスケールがデカいな! だが特使さん、ジャカルタってのは人口千万人を超える東南アジア最大のメガシティだろ? なんでそんな大急ぎで、国の中枢を丸ごとジャングルへ引っ越さなきゃならんのだ?」
特使は苦渋に満ちた表情でうつむき、絞り出すように答えた。
「……ジャカルタが、もう保たないのです。都市機能の過密と大渋滞もさることながら……街そのものが、海へと沈みつつあるのです」
篠原賢人CEOは、静かにジャスミン茶を口に含み、特使の顔をまっすぐに見つめた。
「都市が海に沈む……。特使、机の上の書類だけで判断するわけにはいきません。私自身が現地ジャカルタへ赴き、この目で街の現実を確かめさせていただきます」
翌日。
篠原賢人CEO、南越重工業社長の古賀副社長、そしてポーカーフェイスの最高財務責任者(CFO)大石専務の三人は、超音速機『ビーイング B7237』で赤道を越え、ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港へと降り立った。
出迎えた大統領特使の案内で、三人は本産自動車の防弾AIビークルに乗り込み、ジャカルタ北部の沿岸部——ムアラ・バル地区へと向かった。
そこで三人の目に飛び込んできたのは、息を呑むような「水没の光景」であった。
かつて人々が暮らしていた住宅街やモスクが、濁った海水の中に半ば沈み込み、電柱の上部だけが海面から突き出ている。
道路の上には波が打ち寄せ、住民たちは膝まで海水に浸かりながら、木製の粗末な高床式の桟橋を渡って生活していた。
海と街を隔てるコンクリートの防潮堤は、過去に何度もかさ上げされた痕跡が生々しく残り、いまや海面の方が道路や家屋の屋根よりも「二メートル以上も高い位置」にあるという、狂気的な逆転現象が起きていたのである。
「な……なんだこれは……!?」
古賀副社長が車を飛び出し、異様な光景に目を見張った。
「堤防の向こうの海が、頭の上にあるじゃねえか! 街全体が海の底のすり鉢に入ってるようなもんだぞ!」
大石専務が、手元のタブレットから地質スキャンデータと都市インフラ統計を展開した。
「……深刻を極めております。ジャカルタ北部では、年間最大『二十センチメートル』という世界最悪のペースで地盤沈下が進行中。過去三十年で、すでに都市の四割が海面下に沈降いたしました。このままでは15年後までに、北部全域および政府機能の集中する中心部までが完全に水没すると試算されています」
篠原賢人は、崩れかけた防潮堤のコンクリートにそっと手を触れ、現地で暮らす子供たちが浸水した路地を小舟で漕いでいく姿を静かに見つめた。
「大石、古賀。地盤沈下の最大の原因は何だい?」
大石専務がメガネのブリッジを静かに押し上げた。
「……『極度の水道インフラ不足に伴う、無秩序な地下水の過剰くみ上げ』です」
大石は冷徹に核心を突いた。
「ジャカルタでは人口急増に上水道の整備が全く追いつかず、都市全域のホテル、商業ビル、工場、そして数百万の一般市民が、生活水を確保するために何十万本もの深井戸を掘り、地下水を無制限にくみ上げ続けてきました。その結果、地底の帯水層が空洞化し、メガシティ自身の巨大な建造物の重みに耐えきれず、大地そのものが圧壊・沈降しているのです」
さらに大石は、河川のプラスチックゴミによる排水機能の麻痺と、気候変動による海面上昇が拍車をかけている構造的病根を暴いた。
古賀副社長が、怒りと悔しさを滲ませて拳を握りしめた。
「水がないから地下水を吸い上げ、吸い上げるから街が沈み、沈むから国ごと逃げ出そうとしてるってわけか……! だが篠原! 政治家や役人だけが新しい首都へ引っ越したって、このジャカルタに残される何千万人もの市民はどうなるんだ!? 沈む街に見捨てられるだけじゃねえか!」
篠原賢人CEOは、振り返り、随行していたインドネシア政府高官たちに向かって、静かに、しかし威厳に満ちた声で告げた。
「長官。政府機関のお引越しをお引き受けする前に……我が南越急行グループに、一つの提案をさせてください」
篠原の瞳に、澄み渡る決意の光が宿る。
「まず、このジャカルタの地盤沈下と水没危機を、我々の技術で完全に解決させてください。 街を救い、市民が安全に暮らせる基盤を取り戻した上で……改めて、本当に首都の政府機関をお引越しさせるのかどうか、大統領と国民の皆様に最終確認をしていただきたいのです」
「な……何ですと!?」長官たちが息を呑んだ。
「世界中のどの国も、国連ですら諦めたジャカルタの水没を……止めるというのですか!?」
六日町の本社タワーとジャカルタを量子通信で結び、大石専務が設計した『プロジェクト・ジャカルタ・リバース(大復活)』が発動された。
古賀副社長が自ら現場総監督を務め、南越建設、サロナエアコン、武沢製薬、本産自動車、新行電気工業の全先端技術を結集させた五大方策が、怒濤のごとくジャカルタ全域へ投入された。
【第一の矢:サロナ&武沢『メガロ・海水淡水化&超純水パイプライン』】
地下水のくみ上げを「完全ゼロ」にするため、ジャワ海沿岸にサロナエアコンの多層ナノ膜・超高圧海水淡水化ギガプラントを突貫建設。
1日あたり五百万トンの超純水を生成し、南越建設の全自動AIシールドマシン『サハラ・ラビット』がジャカルタ地下に張り巡らせた「ナノチタン耐圧上水道網」を通じて、市内全域の全家庭・全ビルへ無制限・超低価格で給水を開始。市内全域の深井戸を完全閉鎖した。
【第二の矢:地底再生『超音波ナノ高分子・帯水層急速再加圧注入』】
空洞化し沈降していた地下の帯水層に対し、南越重工と武沢製薬が開発した「ナノ自己拡張バイオハイドロゲル」を含んだ加圧水を、特殊注入シャフト数百本から地下深くへ高圧充填。
地盤の隙間を分子レベルで満たして固化させ、地盤沈下を「コンマ一ミリ単位で完全停止」させるとともに、沈下した地盤を油圧ジャッキのようにミリ単位で押し戻す(再浮上)奇蹟の地盤安定化を実現。
【第三の矢:外洋防衛『ナノセラミック・アクティブ防潮外郭堤防』】
ジャカルタ湾の沖合に、ゴミ再生ブロック『ラビット・マリン・ロック』を用いた全長三十キロメートルの巨大海洋人工島防潮堤を沈設。
高潮やサイクロンを100%遮断し、防潮堤内部にはサロナの超大型排水ポンプゲートを設置。豪雨時でも毎秒数万トンの都市雨水を外洋へ強制排出するシステムを構築した。
【第四の矢:河川浄化『武沢・全自動ナノバイオゴミ回収ドローン艦隊』】
市内を流れるチリウン川をはじめとする十三本の河川に、本産自動車の自律航行ゴミ回収ロボット船二百隻を投入。
水面に浮かぶプラスチックゴミを一網打尽に回収し、武沢製薬の有機浄化バクテリアを散布して、ドブ川と化していた河川をわずか二週間で「鮎が棲める清流」へと劇的に蘇生させた。
【第五の矢:都市交通革命『ジャカルタ・ラビット・トランスライナー網』】
世界最悪と言われた大渋滞を解消するため、第155章で開発された軌陸トラック『ラビット・トランスライナー』と、高架式全自動AI近郊電車『NK3500系』を市内全域へ一挙導入。都市の排気ガスと渋滞を90%消滅させた。
「全自動ナノシールド工法、第12工区貫通!」
「地下水圧注入完了! 地盤沈下速度、マイナスから『プラス0.5ミリ(安定回復)』へ反転!!」
古賀副社長が、泥に塗れながら現場の指揮船の上で拳を突き上げた。
「見たか! 大地が息を吹き返したぞ! もうこの街は一ミリも沈まねえ!!」
第四節 奇蹟の大復活と、大統領の決断
着工からわずか「百二十日」。
秋。ジャカルタの街は、文字通り「奇蹟の変貌」を遂げていた。
かつて膝まで海水に浸かり、異臭を放っていたムアラ・バル地区の道路からは海水が完全に干し上がり、頑強な防潮堤の向こうには青く輝くジャワ海が穏やかに広がっていた。
水道の蛇口をひねれば、南越ビバレッジ基準の清らかでミネラル豊富な水が勢いよく流れ出し、川には澄んだ水が流れ、子供たちが笑顔で水遊びをしている。
新形テレビ20のベテラン記者・高橋とカメラマン・井上も、美しく蘇ったジャカルタ北部のウォーターフロントから全世界へ向けて生中継を行っていた。
井上の担ぐ最新鋭8Kカメラの側面には、あのガムテープの切れ端が誇らしく貼られている。
「こちら新形テレビ20です!」
高橋記者が感涙に声を震わせながらマイクを握る。
「『沈みゆく世界最悪の都市』と呼ばれ、国家ごと放棄されようとしていたジャカルタが、南越急行グループの圧倒的テクノロジーによって完全復活を遂げました! 水没していた街並みは美しく整備され、地盤沈下は完全に停止! いま、ジャカルタ市民数百万人が歓喜の涙を流して踊っています!」
この生中継は全世界へ配信され、国連人間居住計画(UN-Habitat)および世界都市サミットから篠原賢人へ、最高峰の『地球都市再生大賞』が贈られた。
そして、ジャカルタの大統領宮殿(ムルデカ宮殿)。
美しく蘇った街を見下ろす大統領執務室において、インドネシア共和国大統領、全閣僚、そして篠原賢人CEO、古賀副社長、大石専務が出席する歴史的会談が執り行われた。
篠原賢人は、温かいジャスミン茶を一口含み、穏やかな微笑みをたたえて大統領に問いかけた。
「大統領。お約束通り、ジャカルタの水没危機、地盤沈下、水不足、そして大渋滞は完全に解決いたしました。……そこでお伺いいたします。当初の予定通り、十兆円を投じて、政府機関の全機能を新首都ヌサンタラへお引越しされますか? それとも……この美しく蘇った歴史あるジャカルタに、国家の中枢を残されますか?」
大統領は、執務室の窓から見える、青空の下で活気に満ちあふれるジャカルタの街並みと、笑顔で行き交う市民たちの姿を長く見つめた。
そして、大統領の目から、大粒の涙が溢れ出した。
大統領は振り返り、篠原賢人の手を両手で強く握りしめた。
「篠原CEO……! 私は、自分の国と市民を見捨てようとしていた愚かな大統領でした。先祖代々受け継いできたこの誇り高きジャカルタを、あなたが救ってくださった……!」
大統領は力強く宣言した。
「我が国は、政府機関の全面移転計画を抜本的に見直します! 新首都ヌサンタラは『東部開発と森林共生の研究・観光拠点』として分権的に活用し、インドネシア共和国の真の首都機能・国家中枢は、永遠にこのジャカルタに存続させることを決定いたします!!」
「おおおおおおっ……!!」
執務室にいた閣僚たちから、割れんばかりの歓声と拍手が巻き起こったのである!
大統領の歴史的決断が下された夜。
ジャカルタ中心部の超高層タワー最上階、南越不動産がプロデュースした最高級ホテル『グランド・ラビット・ジャカルタ』。
そこに特別設営された『佐渡武蔵・ジャカルタ本店』において、大統領、閣僚たち、そして篠原、古賀、大石が集まり、至高の祝宴が開かれていた。
付け場に立っていたのは、六日町から駆けつけた武藤大将と、ケープタウンから招かれた吉村大将の二人であった。
「大石専務、篠原CEO、古賀副社長……本当に、ひとつの大国を丸ごと救っちまったな」
武藤大将が、美しい包丁さばきで、ジャワ海で揚がったばかりの極上の魚を切り出しながら言った。
「沈みかけてた街を浮かび上がらせて、逃げ出そうとしてた人たちの心を取り戻してやったんだ。今夜は、ジャワ海の豊かな恵みと、大沼の米が合体した、世界で一番美味い寿司を握るぜ」
吉村大将が握り、つけ台に置いたのは、ジャワ海の極上天然スジアラ(赤ハタ)をサロナのナノ熟成で旨味を引き出し、南越アグリの『新形黄金』の温かい酢飯に乗せ、南洋特産のライムと海塩をほんの少し振った特製握りであった。
大石専務は静かにメガネのブリッジを押し上げ、指先でその一貫を持ち上げた。
「……いただきます」
大石はその一貫を口の中へ運んだ。
その瞬間——大石専務の口内で、熱帯の太陽が育んだジャワ海の生命力と、越後の清らかな稲作文化が織りなす「究極の味覚ビッグバン」が巻き起こった!
(ん……ッ!!!? な、なんという弾力と、南洋の香気……!!)
口に含んだ瞬間、白身の奥から濃厚で上品な脂がジュワリと広がり、新形黄金の豊かな甘みと絶妙に調和。ライムの爽やかな酸味が脂のキレを極限まで引き立て、喉の奥へと心地よい感動の波が押し寄せていく。
大石専務は思わず両手をカウンターにつき、静かに目を閉じた。
ポーカーフェイスで知られるあの「財務の鬼」の頬を、またしても一すじの熱い感動の涙が伝ってこぼれ落ちた。
「……素晴らしい。引越しという逃走ではなく、直面した危機を技術で克服したからこそ、この街の未来は永遠に守られた……完璧な決断でした……!」
隣で同じ一貫を口に放り込んだ古賀副社長も、目を丸くして机を叩いた。
「う、うめぇぇぇ!! 大石、最高だ! 街が沈むのを止めて、みんなが笑って、こんなに美味い寿司が食える! これぞ南越急行の仕事だな!」
篠原賢人CEOも穏やかに微笑み、温かいジャスミン茶のグラスを掲げた。
大石専務が手元のタブレットを滑らかに操作し、ポーカーフェイスのまま数字を提示した。
「……篠原CEO、古賀副社長。今回の『ジャカルタ都市再生&インフラ刷新プロジェクト』」
大石の口元に、極めて晴れやかで温かい財務の笑みが浮かぶ。
「海水淡水化プラントの長期水供給コンセッション益、地下インフラ・防潮堤の保守管理益、スマート交通トランスライナーの運行益、ならびに首都機能維持に伴う都市不動産価値の上昇益を含め、向こう十年間で我がグループにもたらされる当期純利益は『四兆八千億円』を記録する見込みです。投下資金一兆二千億円は、わずか二年で完全回収完了です」
「ガハハハ!」古賀副社長が豪快に大石の背中を叩いた。「見たか篠原! 引越し代を稼ぐ代わりに街を丸ごと蘇らせて、なおかつ4兆8000億円の儲けだ! やっぱり大石の言う通り、人を救う投資こそ最大の利益を生むな!」
「はい。今回は国家首都の消滅回避、一千万人市民の生命防衛、そして不滅のストック利益を完璧に両立させた、歴史上最高峰のオペレーションです」
深夜。
祝宴を終えた篠原賢人、古賀副社長、大石専務の三人は、ジャカルタ湾を見下ろす防潮堤のテラスに佇んでいた。
南洋の心地よい夜風が、潮の香りと熱帯の花の香りを運んでくる。
かつて水没の恐怖に怯えていた海岸線には、新しく完成した『ジャワ・シールド』のライトアップが美しく海を照らし、背後に広がるジャカルタの摩天楼は、停電も断水もなく、光り輝く宝石のように夜空を彩っていた。
遠くの軌道からは、南越急行のAI近郊電車『NK3500系』が、澄み渡る長笛を夜空へ響かせながら、平和な街を駆け抜けていくのが見えた。
古賀副社長が、感無量といった面持ちで街の灯りを見つめた。
「なあ篠原。困ったから引っ越すんじゃなく、困った原因をぶっ壊して直す……それが俺たちのモノづくりだな」
大石専務も静かに頷いた。
「はい。逃げることは簡単ですが、そこに残される人々の暮らしを守り抜くことこそ、真のインフラ企業の使命です」
篠原賢人は温かいジャスミン茶を一口含み、二人の肩に優しく手を置いた。
「大石、古賀。我々が敷いてきたレールは、大地の上だけではない」
篠原の静かな言葉に、二人が深く耳を傾ける。
「絶望の淵にある人々に寄り添い、希望を取り戻し、未来へ笑顔を繋ぐ『不滅の再生のレール』だ。世界中がどんな困難に直面しようとも、我々が現場への愛と誠実さを失わない限り、南越急行グループの走らせるレールは、どこまでも、どこまでも力強く、光り輝きながら伸び続けていく」
渡辺前社長が遺した不滅の言葉——「会社は人より長く生き続けるべきもの。稼いだ金は未来を信じる魂だ」。
ジャワ海の夜空に、新しい時代の希望を告げる汽笛の音が、どこまでも温かく響き渡っていった。
全人類の命と都市、そして不滅の尊厳を足元から完璧に支えながら、南越急行ホールディングスの走らせる無限のレールは、地上を、地底を、海を、空を、そして宇宙の彼方へと、どこまでも、どこまでも力強く伸ばされ続けていくのだった。




