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第51話:東の果ての巫女が来訪し、『呪われた汚屋敷』の除霊(掃除)を依頼された件

50回記念パーティーの喧騒が冷めやらぬ聖域に、一隻の不思議な「笹の葉型の小舟」が空を飛んでやってきた。

 中から現れたのは、白い小袖に緋色の袴を纏った、黒髪ロングの美少女――東の果てにある和風の国『カミツ領』の巫女、サクヤだった。


「……あなたが、八百万の神をも驚かす清浄の主、ゼクス殿とお見受けいたします」


サクヤは深々と頭を下げたが、その着物の裾には「どろり」とした、どす黒い影のようなものがまとわりついていた。


「……巫女さん、その裾。……ただの泥じゃありませんね。怨念が凝固した『すす』の類ですか?」


ゼクスの『神眼鑑定』が、一瞬で彼女の正体を見抜く。サクヤは目を見開き、切実な声を上げた。


「……左様です。我が国にある伝説の『九龍屋敷』が、数百年分の怨念と不浄に飲み込まれ、今や国全体を侵食する【巨大汚屋敷】と化してしまいました。我が国の霊力では、もう箒一本動かせぬほどにけがれておるのです……!」


「……汚屋敷、ですか。……いい響きだ」


ゼクスの瞳に、職人の火が灯った。西洋の頑固な油汚れや魔界のサビは経験済みだが、「和の穢れ」は未開拓のジャンルである。


「ゼクス、行くつもりなのね? ……和風の国なんて、私も行ったことがないわ。護衛としてついていくわよ」

「……お米の美味しい国だと聞きますわ。ゼクス様、お供しますわ!」


アルテミス様とエルナも、新しいお掃除道具(と旅の準備)を手に立ち上がる。


「よし、行きましょう。……サクヤさん、案内してください。その『九龍屋敷』とやらを、畳の目の一つ一つまで漂白してあげます」


数日後。ゼクスたちがカミツ領に到着すると、そこには禍々しい「負のオーラ」を放つ、巨大な城のような屋敷がそびえ立っていた。

 庭には幽霊のような煤の精霊がうごめき、障子は破れ、縁側には「呪いの埃」が数メートルも積もっている。


「……これはひどい。……でも、やりがいがある」


ゼクスは背負っていた特注の『神域の竹箒・改』を構えた。


「まずは、その溜まった怨念ホコリを掃き出すところから始めましょうか。……くらえ、神域流お掃除術・第一式『式神・サイクロン旋風掃き』!」


ゼクスが箒を一閃させると、和風の国にかつてない「清浄な嵐」が巻き起こり、数百年分の穢れを分子レベルで分解し始めた。

お読みいただきありがとうございます!

新章『カミツ領編』、開幕です!

西洋のお掃除公爵 vs 東洋の呪われた汚屋敷。

果たしてゼクスは、畳と障子の平和を取り戻すことができるのか!?

楽しんでいただけたら、ページ下部の【☆☆☆☆☆】やブックマークで応援いただけると執筆の励みになります!

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