表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAIN TRAFFIC4  作者: 浜北の「ひかり」
Hikari Episode:1
12/102

373列車 事件です。

「事件よ。事件。」

由佐(ゆさ)ちゃんはそう言った。しかも、かなり大きい声だ。思わず電話を耳から離した。

「事件って・・・。そんなに慌ててどうしたのよ。」

私はすかさずそう聞いた。

「何って。あの(ひかり)君が女の子と会ってたんだよ。それも知らない人。」

「・・・。」

その時脳裏にあの光景が浮かんだ。「(ひかり)ちゃん」と呼ぶ女の子が出てきた。(ひかり)君とちゃん付けで呼ぶのは彼自身がはばかることだ。しかし、(ひかり)君はその人に対してそれをしていない。いや、出来なかったのかもしれないけど。

「いや、私にとっては輝君が告白してきたことの方が事件なんだけど。」

「ああ、そう。でも(ひかり)君の隣はあさひちゃんって決まってるんだから。」

いつ決まったのそれは・・・。ああ、学校の噂が原因か・・・。別に私の隣が(ひかり)君って決まっているわけじゃないのだけど。私以外に(ひかり)君を好きな人がいるなら、その人と(ひかり)君がつきあったっていいぐらいだ。そこまで諦めがつくのは彼女のせいでもあるだろう。

「とにかく調べてみたいと思わない。(ひかり)君に合っている女の子がどこの誰なのか。」

「あのさぁ、少年探偵団みたいなことやってないで、少しは春休みの課題っていうのを片付けようとは思わないわけ。」

「それよりも事件でしょ。」

(ああ、これは何を言ってもそっちに持っていく気だ・・・。)

「はぁ、分かったわよ。それは(ひかり)君に直接聞いたほうがいいと思うから、中学始まるまでお預けね。」

「直接なら、電話でもいいんじゃ。」

「電話じゃ伝わらないこともあるでしょ。言いたいのはそれだけ。」

「あっ、うん。」

「全く何かと思えば。」

「どうしてそんなにさめてるの。」

「さめてるわけじゃないわよ。ただ、(ひかり)君だって男の子なんだから、彼女がいるいないであんまり騒いだりしない。いたって別に悪いわけじゃないでしょ。」

「ああ、まぁそりゃそうだけど・・・。」

「良い。何度も言うけど(ひかり)君の事は何とも思ってないんだから、その話はおしまい。分かった。」

「ああ・・・。うん。」

「じゃあ、また中学で会いましょ。じゃあね。」

「あっ。うん、バイバイ。」

電話を置いたが、何か閉まらない。(ひかり)君が彼女と会ってた。これは大事件であろう。学年中に広まっている噂は本当に噂になるのだ。長年の学説がひっくり返るのと同じだぞ。宇宙が収縮していたと信じられていたのが、今も膨張し続けているに変わったというのと同じぐらいの破壊力を持っているのだぞ。・・・すいません。

「うーん、あっ。そうだ。」

智萌(ともえ)ちゃんに聞けば何かわかるかな・・・。

由佐(ゆさ)。もう寝なさい。」

時間のようだ。

「はーい。」

あんまり遅くまで起きてるとお母さんがうるさいからなぁ・・・。不満そうな顔をしながら、電話のあるリビングを後にした。

(・・・(ひかり)君が知らない女の子とねぇ・・・。)

心の中でつぶやいた。気にならないと言ったらうそになる。だが、今電話してきた由佐(ゆさ)ちゃんが見たのと私がちょっと前に見たのはおそらく同じ人だから、私が全く顔を知らないというわけではないだろう。

 ・・・。なんかいろいろあるなぁ・・・。輝君から初めての告白は受けるし、(ひかり)君が女の子と会ってるって由佐(ゆさ)は言うし・・・。なんか手がつかなくなっちゃった・・・。今日はこれぐらいで終わりにしようかな・・・。部屋の電気を消し、ベッドの中に入った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ