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第五話 ドタバタBBQ

 強制的にバーベキューに行く事になった細音と宗友は、野菜と魚介類を買って明の家へとやって来た。


「お邪魔します、明さん」

「早いわね、夫婦円満の秘訣を聞きたかった?」

「時間をちゃんと守りたいからです、明さんお久しぶりです」

「あらお久しぶりです、主人がお世話になってます」


 態度を180度変えた事に細音はムッとした顔をしたが、明は見なかった事にして話を続ける。


「今キッチンで下準備している所だから、サザ手伝って」

「普通ホステス側から客に手伝いますか~」

「そんな大層なものでもないでしょ、ほら、夫から没収した秘蔵ビデオ貸すから、さっさと手伝いなさい」

「ありがたき幸せ!」

「細音さん……」


 態度をガラリと変えた理由があまりにもなものだったので、宗友はため息をついた。


「良いんです、プラトニックラブから体を重ねる愛まで全てワタシは大好きですから、大好きですから!」

「2回言わなくても良いよ! っていうか、釣られ方が思春期の男子よりも酷い気がするけど」


 宗友が呆れていると、細音の扱い方に慣れている明がニコリと笑う。


「細音を借りますから、その間主人とのんびりしていてください」

「人を借りたらダメですよ、人身売買は犯罪です」

「えーっと細音を手伝わせるので、ちょっと別行動させますね?」

「あっ、分かりました。細音、頑張ってね」


 言い回しを分かりやすく変えて、宗友を納得させると、明は細音を連れて厨房へと入った。


「面倒くさいけど、良い旦那さんなのは分かったわ。お互いにちょうどネジがぶっ飛んでいる同士、上手くいくんじゃない?」

「ワタシも宗友さんも頭のネジはぶっ飛んでませんよ?」

「サザ、自分の胸に手を当てて見て」

「……はい、ワタシ上司の子供を襲いかけましたー!!」


細音は形の良い自分の胸に手を当てて、良い返事をした。即座に明が細音の胸倉を掴む。


「サザ、10光年譲って旦那に手を出すのは許す。サザの特性を完全に抑えられないのは理解しているから」

「えっ! 良いんですか!?」

「まずは自分の欲求と戦いなさい!」


目を輝かせた細音にしっかりと釘を刺した上で、明は話を続ける。


「ただし、絶対にうちの子供に手を出すのは許さない、そんな事をしたら……」

「そんな事したら?」

「社会的に抹殺してやる」


いつもの説教の目つきを1とするなら、今回の目つきは50を優に超えていた。流石の細音も顔を青くして頷く。


「さあ、玉ねぎ切るのやりなさい。ついでに他の野菜と肉も切って、魚介類の下準備もやって置いて」

「はい……って全部ワタシじゃないですか! じゃあ、バイト代として早速賢一けんいちさんとアバンチュールしても良いですね!」

「はぁ……分かったわよ、その代わり、ネットでアバンチュールの詳細を流しておくから」

「えーっ! ゆっくり楽しませて下さいよ」

「まずその考えが間違っているのよ! そもそもね……」

激しくズレている細音に、明が説教をし始め、バーベキューの時間が遅くなったのは言うまでもない。

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