プロローグ:掠奪者の戴冠と転落
初めまして。
みちおです。
ずっとなろうの読み専門でしたが、一度挑戦してみようと思い書いてみました。
初めてで短い話になるとは思いますが読んで頂けると幸いです。
俺の親父は、界隈でも名の知れた暴力団員だった。
お袋の仕事は水商売。
いかにもと言うような家族構成だった。
そんな家系に生まれた俺を、世間は「まともな人間」としては扱わなかった。
「壬生祐介」
学校の連中は俺をバイキンか、あるいはいつ爆発するか分からない爆弾のように扱い、教師共は「親が親なら……」と哀れみと蔑みが混ざった視線を向けてくる。
俺の世界は、最初から「孤独」という壁に囲まれていた。
「……おい。お前、面白いツラしてんな。俺たちと一緒に来るか?」
唯一、その壁を蹴破ってきたのが学校の不良グループだった。
彼らが欲しかったのは俺という人間じゃない。「暴力団の息子を身内に置いている」という虚栄心の盾だ。そんなことは分かっていた。だが、それでも当時の俺には、その偽物の「仲間」という言葉が、地獄で見つけた蜘蛛の糸のように思えたんだ。
それからは早かった。
喧嘩や人を騙して金を奪う。そんな日々の繰り返し。
親父から引き継いだ暴力の血と、お袋から譲り受けた人心掌握の術を使い、俺は組織を膨張させていった。
18歳になる頃には俺は各分野に幹部を配置し、末端まで合わせれば300人を超える巨大半グレ組織のリーダーになっていた。
強盗、拉致、商売のケツモチ、違法な商売……。会社の社長や政治家の依頼で敵対する相手の家族を拉致したり、弱味を握って脅しをかけることもあった。
「殺し以外は何でもやる」
それが俺たちのルールであり、この街の裏社会を支配する秩序だった。警察も俺の名前を聞けば顔をしかめ、かつて俺を無視した大人たちが、今では震えながら俺に上納金を差し出す。
俺は、俺だけの帝国を築き上げたはずだった。
「……どういうつもりだ、お前ら」
突きつけられたのは、警察の銃口でも、敵対組織の銃口でもなかった。
俺が唯一の「仲間」だと信じ、力を与えてやったはずの幹部連中その半数以上が、冷ややかな銃口を俺に向けていた。
「壬生くん、悪いっすね。あんたは知り過ぎたんすよ。でも、これからは俺たちのやり方で『殺し』も解禁して、もっと効率よく稼がせてもらうわ」
信じていた絆が、金とさらなる欲望という名の弾丸に変わる。
放たれた銃弾が俺の身体を貫き、視界が紅く染まっていく。
俺が必死に守り、大きくした「居場所」は、最初から砂上の楼閣に過ぎなかったわけだ。
(……笑えねえな。次は、絶対に裏切らせねえ)
薄れゆく意識の中で、俺は自分を裏切った奴らの顔を網膜に焼き付けた。
次に目覚めた時、俺の目の前には、全てを赦すような穏やかな光を纏った「神」が立っていた。
「……可哀想な人生。次は、愛される場所へ送ってあげる」
俺は神に向かって、血の混じった唾を吐き捨てるように言った。
「愛なんざいらねえ。……確実に、相手の急所を掴み取れる力をくれ。二度と、飼い犬に手を噛まれないための力をな」
短編と連載の違いがわからず短編で投稿したら続きが書けず焦りました。
勉強なりました笑




