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なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話  作者: TB
第三章 俺の守りたいもの

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第68話 大詰め的な感じかな?

十一月八日 十九時


 【D13】を無事に討伐して一度大阪に戻り、翔たちと合流して自宅に戻った。


「父さん、向こうの世界で神様なんだね、凄いって言うか流石にちょっと恥ずかしかったよ。それにあの経文は無いだろ……あれ父さんが教えたんだろ?  世界中の人が『イエスロリータノータッチ』って父さんの銅像に向かって拝む姿とか誰が得するの?」

「まーあれは別に俺がやらせてる訳じゃないぞ、藤吉郎が勝手に勘違いして俺が居なかった間にああなってた。まぁ気にしたら負けだ」


「負けでいいよ」

「でも、言葉は残念だけどやっている事は凄いと思いますよ。俺あの世界に住みたいと思いましたよ」


「あんたは、美少女だらけの世界でニヤニヤしてたいだけじゃないの」

「いい世界だけどやっぱり色々不便だよね、テレビとか無いし、服もお洒落じゃないし私はやっぱりこっちの世界がいいな」


と、省吾達もそれぞれ感じた事を話してくれた。


「それでさ、向こうの世界でリビングアーマーを、とにかく倒しまくってたお陰で、レベルもみんな650まで上がってさ、目的のリビングアーマーの鎧も手に入れる事が出来たんだよ、レアドロップだったみたいでこの三週間で二千体くらい倒して、ドロップは五つだけだったけどね、武器は手に入らなかったから、きっと武器は他の敵が落とすんだろうな。


で、早速作ってみたの。アーマーをね。俺たちが使いやすいように軽鎧タイプにしたんだけどさ、SR装備でレベル×3の追加防御力が付いてるよ」


「ほーそれは凄いのが出来たな、売りに出せば三億以上になるぞ」

「そんなにするんですか? 翔君も超お金持ちになったじゃん、やったね」と、萌と桜が翔以上に喜んでる。


「なんかやっと、自分で成果が出せてほっとしたよ、でもこの鎧は俺だけで作れたわけじゃないから、一人一着ずつ装備して、残った一個を売りに出してみんなで分けよう」

「いいのかよ? 俺三億もする装備なんて傷つくのが怖くて装備できないぞ」


「あんた馬鹿じゃないの? 使わないと意味無いじゃん。翔君ありがとー、お姉さんが頭なでてあげるよ」

「私もお姉ちゃんって呼ばせてあげるからね」


「お姉さんネタは無理やり捻じ込まなくても大丈夫だし、鎧はちゃんと装備して使ってくれよ。次の目標は武器だな。明日から又データベースでそれっぽいの探しまくろうぜ」

「三億円分働くぜ」


 ◇◆◇◆ 


『【D13】コア。ちょっといいかな?』

『マスター。何でございましょうか?』


『世界を統べる存在と言うのは誰なんだ?』

『人の姿をしている事もあれば、モンスターの姿の時もあり、精神生命体の時もあります。現在の姿は存じ上げません。永遠の時を破壊と再生を繰り返しながら過ごしておられます』


『目的は何なんだ?』

『責任があると…… 遥かな昔に聞いた事があります』


『何の責任なんだ?』

『伺っておりません』


『どれ程の時をそうして来ているんだ?』

『とても永い時です。何度も繰り返しております。この世界は、千百十一回目の世界でございます。現在の【D155】のマスターが千百十一番目の世界に姿を現す時に、千百十番目の世界は崩壊します』


『藤吉郎の世界が消滅しちまうのか、止める手段は無いのか?』

『マスターが、【D155】のマスターを倒す事が出来れば、消滅をさせない選択肢も選べます』


 来年の八月までには、【D155】を討伐しないといけないのか…… 

 まだまだ力が足らないな。


『ナビちゃん。ちょっといいかな』

『いかがなさいましたか? 理様』


『今の話ってナビちゃんは解ってたの?』

『消滅をさせない選択肢が選べる。と言う事以外は知っておりました』


『そっか……ねぇナビちゃんってさ俺の味方なの? それとも敵なのかな』

『今は運命共同体でございます。お互いの力を合わさなければ【D155】コアでさえ、倒す事は出来ません。更にその先がある事を理様は解っておられる筈です』


『俺はナビちゃんと戦う未来にはなって欲しくないけどな』

『私もでございますよ理様』


『【D13】コア。【D1】コアと融合してもらってもいいかな』

『仰せのままに』


 ◇◆◇◆ 


「久しぶりに狩りに行くとなんか妙に疲れたな、今日はスタミナの付く食べ物がいいな。焼肉にしようぜ」


「日本のお肉、凄く柔らかくて美味しいから大好物です。牛肉には赤ワインが合います」

「その意見は私も同じだな」


「私の国は牛よりも豚のほうが良く食べますが、日本の焼肉は私も大好きです」

「私の国は食べ物の評価がとても低い事に、不満を持っていましたが、日本の食事になれると納得してしまいました。素材の持ち味を引き出すと言う考え方が、母国では基本的に行われてないんだと感じます」


「私は、今までずっとイスラム教徒として生きてきましたがOSAMUと行動を共にするようになり、別世界に行ってから、宗教は気の持ち方次第だと言う事が良く解りました。これまでハラームに従って口にする事が出来ない物が、沢山ありましたが、これからは皆と同じように食文化を楽しむ事にします」


 と、マイケル、アンリ、エッカルト、ハリー、ルドラの外国人勢がそれぞれ肉に対する愛を語っていた。


「と、言う事で今日は佐賀牛や松阪牛の元になる、壱岐牛をダンジョン内の畜産環境で飼育したお肉を用意しましたよ。モンスターと違って、飼育動物はそのまま全身が残るので処理施設をダンジョン内に作って、食肉を加工し始めました」


 真壁さんが今日のお肉を説明してくれた。

 ダンジョンの環境設定であらゆる食材を育成できるようになり、更にダンジョンならではのリポップ能力を適応させると、どれだけ刈り取ってもリポップし続ける為に、麦や米を始めとした穀物類、畜産物、海産物、果樹、野菜など、あらゆる食品の育成もスタートしている。


 今後は、ダンジョン内部の広さを広げる設定をしたいので、始まりの世界へ向かいたい。


「OSAMUがワインは苦手だと言っていたが、今日はちょっと付き合ってもらうぞ。カリフォルニアのワインでコンコード種の葡萄を使ってある。値段の割りにボディーがしっかりしてて、この脂身の多い牛肉と合わせてもまったく負けてない。肉が口の中にある状態で、ワインを含んでみろ」

と、マイケルに勧められた。


「お、こりゃ凄いな、ちょっと口当たりが甘く感じるが、今まで赤ワインって渋くて苦手だと思ってたのに、肉と口の中で合わせたら凄く豊かな香りになって、肉自体の美味しさも一段階上になったぞ」


俺の感想を聞くと、アンリも競うようにワインを出して来た。


「私の用意したワインも試してください。フランスのワインは有名ですが残念な事に日本で一番売れるのは【ボージョレヌーボー】なんです。ヌーボーは、その年の葡萄の出来を確かめるために即席醸造されたワインですので、私はお勧めできません。あれを、ありがたがってお祭り騒ぎする人は理解できないです。さっきマイケルも言っていたように料理に合わせて美味しくなるワインは、やはりちゃんと必要な熟成期間を経た物です。今日は牛肉にも負けない力強い物を用意しました。ちょっと値段は高いですが、理からしてみたら大した事はない値段です。ボルドーの一級シャトーの筆頭銘柄です。今日のは20年物ですね」

「ワインもちゃんと知識を持って、料理と合わせれば凄いんだなぁ、勝手に日本人の口には合わないんだろうと思ってた事を、反省するぜ」


 俺が外国人勢に、ワイン漬けにされてると、颯太と達也も混ざって来た。


「俺はワインも良く嗜むぞ、理が苦手だと言ったから、焼酎と酒ばかり持ってきてたがな」

「俺も理と同じで苦手だと思ってたんだが、総理に叩き込まれたな。閣僚は国際的な会合でワインを口にする事も多いから『苦手じゃ話にならん』と言われてな」


 ◇◆◇◆ 


「来年の八月までに、すべてのダンジョンを討伐しないと藤吉郎の世界が崩壊してしまう事が今日解った。今から少しペースを上げて討伐して行くぞ」

「それは、この世界も崩壊をする可能性があると言う事なのか?」


「次の世界にダンジョンの発生が始まってしまえば、最終ダンジョンが登場した時点で崩壊が始まるらしいが、俺たちが最終ダンジョンのマスターであれば崩壊を止めることは可能らしい」

「まぁどっちにしても討伐するしかないって事だな」


 ◇◆◇◆ 


 テレビのニュース番組がエルサレムのダンジョンが消えた事を、報道していた。


 エルサレムを聖地と定める各宗教団体が、信仰の力がダンジョンを葬り去ったと声明を出していた。


 真実がどうなのかは、【DIT】としては公式発表はしない方針だ。

 宗教を敵に回しても面倒なだけだから、が理由だそうだ。


 しかし、あちらの世界での【D13】の状況を考えると、こちらの世界で【D13】のあったイスラエル国内は進化種が数多く存在していると考えて間違いないだろうな。


 人とモンスターの融合した存在か、知性や理性を有していたら厄介だな。


 この世界で、討伐が済んでいないダンジョンはまだ四つ残っている。

 不安要素は尽きないな。


 ◇◆◇◆ 


十一月九日 八時


 討伐班が集合して、大阪に向かう主要な人物を集めてもらい、状況を説明する事にした。

 藤吉郎に、この世界が抱えている危機的状況を伝え、今まで以上に戦力の強化に努めて貰うためだ。


 俺の話を聞いた後で、藤吉郎がみんなに向かって言った。


「少女の笑顔を奪うすべての敵を許す事は無い。全員で一丸となってこの世界を守りますぞ。『イエスロリータノータッチ!』」


 ◇◆◇◆ 


 その日から大阪城に設置された【D101】ダンジョンでは今まで以上に多くの兵を鍛える事になり、最終ダンジョン【D155】の討伐に向かう時には、レベル千を超えるメンバーだけでも五百人の精鋭部隊を育て上げる様に頼んだ。


 そして俺たちは、南米大陸に向かって旅立った。


 南米大陸の残り十四箇所、北米大陸の十五箇所のダンジョンを討伐するのにかかった期間は半年に及び、現在は俺たちの時代でダンジョン発生から三年目の五月を迎えている。


 その後のネームドダンジョンは、


【D125】 傲慢 ルシファー

【D130】 憤怒 サタン

【D135】 嫉妬 レヴィアタン

【D140】 強欲 マモン

【D145】 色欲 アスモデウス


 が現れ、その能力もすべてナビちゃんが取り込んでいった。


『ナビちゃん。ちょっと良いかな』

『いかがなさいましたか? 理様』


『冷静に考えてどうなの? 今の俺たちで【D155】マスターと戦えるだけの力はあるのかな?』

『現在の理様の周辺では今までの世界では、誰も成し得なかった状況になっております。レベル千五百五十に到達した人数が複数人になった事は初めてですし、その三十名の全員がスキルを所持している状況なので、まったく歯が立たないとも思えません』


『それでも、これまでの1109回の世界の中で、最強の【D155】マスターと渡り合えるかは、私にも推し量る事が出来ません』

『ナビちゃん。ここまで来たら教えてくれよ、ナビちゃんは誰なの? 七つの大罪の名前を冠した悪魔王達が、簡単に融合を許すような存在がただのコアの訳は無いよね?』


『理様、解りました。今から私の知りえる事をお話させていただきます。少し長くなりますがよろしいでしょうか?』

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