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なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話  作者: TB
第二章 ダンジョン混沌期

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第44話 藤吉郎の野望

 わしは木下藤吉郎。

 

 今はこの日本の国を実質纏め上げている。

 ただの侍頭であったわしが、このような状況に至った不思議な出会いを語ろう。


 朝廷や幕府は、京の都に突然現れた謎の洞窟から溢れ出した魔物によって滅び去った。


 この国は既に、百年以上に渡る長き争いの中で疲弊しきっており、民も、わしら侍も、いつ襲われて死ぬのかを、満足に食事も取れない中でただ耐えるばかりの日々になっていた。


 しかし悪い事ばかりではなかった。

 永く争い続けた諸国は、化け物と言う共通の敵の出現により、人間同士で争っている場合では無いと言う事に気付かされ、徐々に集まり手を結び戦国の世は終焉を迎えようとしていた。


 現状日本を纏める組織は無くなっている。

 この大阪の町まで辿り付けた近隣諸国が力を合わせ、なんとか生き抜いているだけの状態であった。


(十か月前)


 わしらは、大阪の町を囲う木柵の側に現れた化け物どもを撃退する為に戦っていた。

 その日の化け物共は大変に手強かった。


 恐らくわしらはこの町を護りきれずに、ここで生を終えるのであろう。


 だが諦めるわけには行かない。

 なけなしの食料を、この街を守ってくれるお侍さんたちにと、差し出してくれる民の為に、侍であるが故、敵に背を見せるわけには行かない。


 そこに表れた一人の男。


 黒く大きな猫と、九本の尻尾を持つ白く綺麗な狐を従え、瞬く間に我々の前に群がっていた魔物を葬り去った。


 それからわしに「うまい飯を食わせろ!」と言い、それでわしらに戦う術を授けると言ってきた。


 それからは、もう何がなにやら解らぬうちにこの国は救われた。

 あのお方『岩崎 理』と名乗る御人は、わしに、この国を纏めろと言われた。

 何故わしじゃったのかは解らぬ。


 わしは大名ではなかったが故に、夢を描く事が好きじゃった。

 この国に永く蔓延(はびこ)った悪しき習慣。


 百姓は生まれながらに百姓で、どれだけ努力をしようがそれ以外には成れぬ。


 そのような習慣を変えて、能力に応じて望む職に就き、この国の民がみんな笑顔で暮らせる国を造りたい。


 生まれながらの大名では、自らが困らないのであれば世の中を変える必要など無いからの。


 周りの者どもも、他家の大名達も、岩崎様の圧倒的な武力の前には異を唱える事も出来ず、みな、わしを担ぎ上げる事を了承した。


 自分達が優遇されることが当然と、喚く大名達も当然おったが、岩崎様はそんな言葉を吐く大名達には非情に大阪の町から叩き出した。


 日本の国の洞窟が討伐され、取り敢えずの安寧を見せると岩崎様は旅立たれた。


 日本だけで無く世界中が襲われているらしく、世界中の洞窟を討伐して回ると言われておった。


 それから、度々岩崎様は現れる。

 洞窟を一つ討伐する毎に食料を求めて訪れる。

 ある日岩崎様は人間を貸せといってきた。


 岩崎様では化け物を倒しても報酬が出ぬので、弱い者を連れて行って討伐させる事で報酬を得るためだと言われた。


 わしは選りすぐりの人物を預け鍛錬を頼んだ。

 次に戻ってきた時に、預けた者共はとてつもない力を身につけておった。

 そして、民を育てる手段を授けてくれた。


 ここからは、あっという間に国内を掌握し、わしは日本の盟主となった。


 世界には、様々な人種が存在する。

 勿論わしは会った事など無かったが、ある日岩崎様がそれは可愛い女の子を連れて戻ってきた。


 この世の物とは思えぬほどの愛くるしさじゃった。

 即断でわしの娘として育てることにした。


 世界にはもっとたくさんの美しき少女がおるらしい。

 わしは、美しき少女を愛でていたい。

 岩崎様は、おっしゃった。


「イエスロリータノータッチ」だぞと……


 意味は解らぬ。

 だが言葉の重みはわかる。


 わしは世界中の恵まれぬ環境で育つ美しき少女を護るために世界を手に入れる。


 この世界のすべての美しき少女をわしが護る。


 わしは世界を手中にするために、軍を編成した。

 岩崎様が移動手段として、転移門と呼ばれる物を授けてくれている。


 それと、いつでも岩崎様と会話の出来る念話機もだ。

 この二つの道具を使い岩崎様の指示で攻める場所を決め侵攻する。

 いきなり攻めたりはせぬ。


 竹中半兵衛が岩崎様より預かる神器により、他国の言葉もなんなく解する。

 まずはそれにより、その国の王朝なり政府なりと話す。

 当然支配の放棄と民の自由を求めてじゃ。

 しかし世界は日本以上に腐っておる。


 民とは王に貢ぐための道具であり、女性とは一部の支配階級の者が快楽のためだけに利用し、飽きればただ子を産み落とす道具として扱われる。

 そのような世界は必要が無い。


 わしは少女を護る。

 その笑顔を見るために、腐った国の王家や政府は問答無用で倒す。


 民の代表を集めて告げた。


身分による差別を許さぬ事

人種による差別を許さぬ事

すべての民に平等に教育を受けさせる事

やりたい仕事を目指させる事

人身の売買の禁止

身寄りの無い少女は、すべて成人するまで大阪で暮らさせる事


 この六つを約束させ、目付を日本から派遣し自治をさせる。

 目付も癒着を防ぐために一月以上は同じ国には滞在させない。


 対価として、魔物の討伐は日本が兵を送り討伐する。

 その国の人間を鍛錬し、戦えるだけの力を与える。


 約束が守られてない場合は、国ごと討伐する。


 すべての国を同じ条件で傘下に入れていく。

 既に南方諸島、ユーラシア大陸の東半分においては覇権を確立している。


 大阪の町では世界中の、美しい少女で溢れかえっている。


 大阪に来るまでは恵まれぬ環境の中で、暗い表情をしていた少女は、大阪に来るとみな明るく生まれ変わる。


 この木下藤吉郎の野望は、世界のすべての少女を救うまで続く。

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