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なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話  作者: TB
第一章 ダンジョン黎明期

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第18話 D3

八月二十八日 八時


 昨日はちょっと飲みすぎたな。

 少し頭が痛い。

 二日酔いは病気になるのかな?  毒かも……


 ちょっと試してみよう。

  アイテムボックスからポイズンキュアを出して飲んでみた。


 効果は……あった! 気分爽快だ。

 アルコールは毒扱いなんだね。


 乗り物酔いはどうなんだろうか? 俺、乗り物酔いしないから検証できないな。

 でも予想では揺れから来てるからポーションのほうが効きそうだ。


 今日は車の納車だけど、状況的に余り使わなくなりそうだし、ちょっと早まったかな?


 中古車ディーラーに電話して、納車時間を確認する。

 十三時頃に来てくれるそうだ。

 隔離地域内になったから、普通に入れるのかを確認されたが「今月中は大丈夫ですよ」と伝えて電話を切った。


 そう言えば颯太が【鑑定】してくれとか言ってたし、後で少し行ってみるか。


 庭がもう騒がしくなってる。

 【DIT】のメンバーが既に潜りに来てるみたいだ。


 この時間は、三班と四班それとサポート班から五人来ていた。


「がんばってるなー」


 と、声を掛けながら庭を覗くと、四班の斉藤が声をかけてきた。


「兄貴が毎日お邪魔してるみたいですね。ご迷惑をおかけしてます」

「斉藤君って達也の弟なの?」


「そうですよ。俺は兄貴みたいに頭が良くなかったから、体を動かせる仕事を選びました。兄貴もダンジョン潜ってるから、負けないように頑張ります」

「そっか、頑張れよ」と見送った。


 ◇◆◇◆ 


八月二十八日 九時三十分 DIT本部


「おはようございます。昨日、島さんから【鑑定】頼まれたから来ましたー」


 と、言って事務所になってる職員室を覗いた。


 山野さんと今川さんの二人が出てきて「おはようございます。お待ちしてました」と隣の会議室に通された。


「鑑定をお願いしたいアイテムはこちらです」


 と、言って持ち出してきたのは、全部で二百個くらいあった。

 鑑定していくと……


薬草 N       四十個  

毒消し草 N     十二個


ポーション N     四個

ミドルポーションHQ 一個


ポイズンキュアN   二個


ダンジョン鉄N   六十個

魔鉄HQ       十個

ゴブリンナイフN  二十個 


スライムの魔核  三十五個 (魔道具のエネルギー源)10P

ゴブリンの魔核   十五個 (魔道具のエネルギー源)15P


ポイントボール(小) 二個


以上ですね。


【D2】では、【D1】で見ることの無かった【○○の魔核】がドロップする。

エネルギー源として活用出来る様だが、まだ利用法は俺も研究中だ。


「岩崎さんポイズンキュアは、どの程度の毒まで効くんですか?」

「毒なら全部直るよ」


「海蛇の毒のような物でも直ると言う事で、間違いないんですか?」

「そうですね、毒であれば全然大丈夫ですよ」


「それだけでも、すごい価値になるわ一本十万円でも売れるくらいに」

「そんなに?  薬師になれたらいくらでも作れるよ?」


「医学が根本から変わりますね」と今川さんが言った。

「薬系統の効果を一覧に出来ますか?」と山野さんに聞かれたので、ノートに書き出して渡した。


ポーションN      HP10%回復  外傷の回復

ミドルポーションHQ   HP25%回復  亀裂骨折までの回復

マジックポーションHQ  MP10%回復


ハイポーションR    HP50%回復  複雑骨折・靭帯断裂までの回復

エクスポーションSR   HP75%回復  内臓損傷まで回復

エリクサーUR      HP完全回復 欠損状態の再生


ポイズンキュアN    毒回復

ストーンキュアHQ   石化状態回復

カースキュアR      呪、アンデッド状態回復

万能薬   SR     病気回復


「万能薬で、癌やエイズなんかも治るよ。毒消し系のハイクオリティーとレアはほぼダンジョン内専用だね」

「凄いですね……」


「取り敢えずは、俺も出来るだけ作ってストックするようにしてるけど、SR品でさえまだ一回しか成功してないからかなり条件は厳しそうです。試行データの作成とかは、今川さん達が専門だからお願いしますね。後、作った薬とかは、DITに卸せるのかな?」と、聞くと


「かなりの高額買取になると思いますよ。岩崎さん大金持ちになっちゃいますね」との返答だった。

「卸売り価格とか決まったら教えてね。俺は今日これから車の納車があるからもう戻るね」と、伝えて帰宅した。


 ◇◆◇◆ 


八月二十八日 十三時


 車が届いたので早速試運転に出かけようと思って準備をしていたら、ダンジョンから颯太、達也、上田さん、坂内さんの4人が出てきた。


「車買い替えたのか、ハイエースは使い勝手がいいよな」

 と、達也が声をかけてきた。


「まぁあんまり乗る機会は無いかもしれないけど、アイテムボックスの中に入れて置いたら、ダンジョンで泊まる時とか便利良さそうだしね」


「まさにチート野郎だな。一体いくつスキル持ってるんだ?」と聞かれたが「内緒」と言ってごまかしておいた。


「俺と颯太は今から東京で閣議に参加してくる。夜には戻る予定だがな。明日は十時には小学校に集合で頼む。場所によるが移動はヘリの予定だ。慣れない車で事故ったりしないようにな」


 颯太と達也はSPとして上田さんだけを伴い足早に立ち去った。

 坂内さんが「私は今日は勤務終了だから、試運転行くなら私も連れて行ってくださいよ」と言って来たので、男一人で行くよりはいいかと思い一緒に行く事にした。


 浜名湖を一周して途中で舘山寺温泉に寄った。

 日帰り温泉を楽しんで、うなぎを食べて帰途に着いた。


 さぁ明日は【D3】だ。


 ◇◆◇◆ 


八月二十九日 十時 DIT本部


 実働部隊は全員出動。

 サポート部隊は十人が出動となった。

 俺と颯太、達也を含め四十三名の大所帯だ。


 昨日の閣議では、【DIT】関連の施設建築予算が集中して審議されて可決されたらしい。

 後は国会の承認を経て、実行されるだけだ。


 可決を後押ししたのは、やはりエリクサーの存在だった。

 生産可能な状態になれば、世界の常識が大きく変わる。

 

 エリクサー以外のポーション類でさえ、莫大な利益を産み出す事は誰の目にも明らかである。


 十一時十一分を迎え、緊張が高まる。

 一報を待つ。


 二分後……「確認されました。大阪道頓堀です」


 ダンジョン【D3】確認。


「総員出発」


 チヌークに全員乗り込み、五分後には飛び立った。


 ◇◆◇◆ 


CH-47 チヌーク (CH-47 Chinook) は、アメリカのボーイング・バートル社(現ボーイング・ロータークラフト・システムズ社)で開発されたタンデムローター式の大型輸送用ヘリコプター。


DITで運用されているのは、最新型のF型を更に改良したもので、航続距離は二千五百キロメートルで五十人が搭乗出来、時速三百キロメートルの速度で移動が可能となる。


 ◇◆◇◆ 


 一時間後現地到着。

 現場は機動隊で厳重に囲まれていた。

 人的被害は無し。

 違法駐車していた車二台が大破しただけに留まった。


 【DIT】は到着後すぐに活動を開始した。

 一班から順に、一層に展開して行く。

 最後に島、斉藤、上田、坂内、東雲で進入していった。


 【D3】は所謂(いわゆる)洞窟型の迷路状ダンジョンだった。

 モンスターの沸きは多くは無かったため、各班毎に別方向に展開し、しらみつぶしに探索して行った。

 理は大型化したTBと共に中心部分に向けて進む。


 途中出会ったゴブリンに【鑑定】をかける。

 LV5大丈夫だ問題ない。

 TBが即効で倒す。


『ミッションクリアでございます。理様。世界で初めて【三つのダンジョンでモンスターを倒した者】ダンジョンポイントは15ポイントでございます』

 

 これは、結構嬉しい。

 中心部にたどり着きダンジョンを【鑑定】する。

 二層への条件は、『祭壇の裏側にある窪みに、三十匹目のモンスターを倒した時に現れたキーストーンを置く事』ん?


『ナビちゃん。ちょっといいかな』

『いかがなさいましたか? 理様』


『今四十三人全員がパーティ状態だよね?』

『その通りでございます』


『その場合、階段出現条件の三十匹目のキーストーンはどういう風に出現するの?』

『パーティメンバーで倒した合計数の三十番目のモンスターから特殊ドロップとして表れます』


 了解、これは一回りして来るしかないな。


 TBと共に駆け足でダンジョン内をめぐり、一度全員入り口に戻ってきてもらう。


 そこで確認をする。

 階層を降りるためには、キーストーンが必要で、倒した数の合算が三十匹目の人の元に現れる。と、情報を伝え、現在の全員の討伐数を教えてもらう。


 二十七匹だった。


 後三匹は自分が倒すので、取り敢えず全員中央部分に向かうように声をかける。


 そこから五分ほどで三匹を倒し、キーストーンを手に入れた。

 祭壇は中央部分から見える場所にあった。


 裏側の窪みにキーストーンをはめ込む。

 中央より、二百メートル程離れたところに、階段が出現した。


 【D3】二層へ来た。

 前もって伝えてあったが、まだ他のメンバーのレベルでは二層では事故が起こりかねないので、階段前で待機してもらう。


 ここも迷路状か…… 降りた場所は真ん中から近いとこの筈だが、出た場所はほぼ端のほうだった。


 TBと一緒に中央部に急ぐ、途中で現れたモンスターは、【D2】とは違っていた。


オーク     豚鼻の人型 

コボルト    犬顔の人型

ソルジャービー 30㎝はある巨大な蜜蜂


 レベル自体は六から二十の間で【D2】二層と同じだ。

 中央部に到着してダンジョンを【鑑定】する。


 ランダムドロップするキーストーンを二個集め、祭壇の裏に正しく配置する事。

 間違うとキーストーンが消滅し、集め直しになる。

 難易度高いな。

 こうなると鑑定系統の能力を持たないとかなり厳しいだろう。


 一度モンスターを狩りながら、階段まで戻り条件を伝え、時間が掛かる事を報告した。

 連絡係の実働部隊一班だけを残し、他のメンバーは一層に上がってもらう事にした。


 それから二時間をかけ、何とか二個のキーストーンを集めた。

 祭壇の裏の確認をし【鑑定】を掛けてみる。

 キーストーンと台座の両方に対応する図形が浮かんで見えた。

 これなら間違いようが無い。

 

 鑑定凄いな!


 再び光の柱が立ち上がり、三層への階段が現れる。

 階段を降りて行き、まず敵の種類とレベルを確認する。


ワイルドボア    猪型のモンスター

毒蛇        ハブを大きくしたような蛇

ポイズンフロッグ  毒々しい色の蛙

デンジャーワラビー 小型のカンガルータイプの魔物


 以上の四種類で、レベルは二十一から三十と、難易度はかなり高そうだ。

 このペースを考えると、D155のモンスターは最下層でレベル千五百五十になる計算になる。


 スタンピードが起これば、普通に地球は滅亡するな。


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