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そういう病気
父親ゆずりのひろい額を片手でもみ、ウィルは片手をあげてみせた。
いつのまにかルイは逃げ、食堂でくつろぐまわりの社員たちは、J班の、あの、『ノーマン』の顔が、《なぜ腫れて》いるのか、興味ありそうな視線を、ときどき送ってくる。
腫れた顔をおさえた《ノーマン》は、ザックに殴られてから、ずっとこの姿が変えられない、とうんざりしたようにこぼしている。
「なあ、やっぱ病気か?」
「・・・ある意味ね・・・」
「ほんとかよ!?・・・おれ、もうすぐ死ぬとか? そういう病気?」
弱弱しく変色した頬をなでる《こいつ》を、とりあえずは、ここから連れ出そう。




