どうしてこーなる?
この章でおわりとなります。
が、ここからは事件はなく、ザックの『相談事』の結末となります。
よろしければ、おつきあいください。
会社の食堂テーブルに座るルイは、むかいに座る《J班のノーマン》をじっとみてから、ため息をついた。
その顔の左側の頬から目にかけてが、はっきり腫れている。
「・・・あのさ、おれはわかるよ。でもさ・・・」
「―― どうして、こーなるんだよ?」
「だからさ、―― 」
口をひらきかけたとき、ウィルがやってくるのがみえた。
前髪をはらい顔をしかめた貴族様は、ルイがいっしょにいる男をにらんだまま足をはやめた。
「 ―― おいノーマン、おまえ、ザックになに言ったんだ?」
肩をつかんでふりむかせた男の顔をみとめると、絶句したあと、噴き出した。
いまにも『ざまあみろ』といいかねない男に、ともかく座れ、とルイは命じる。
「ウィル、よく考えろ。 J班は今日休みだ。それなのに、おとといザックを『ふった』ばっかりの《ノーマン》が、休日出勤でA班の、おれのところにくると思うか?」
言葉を吟味した男が前髪をはらいのけ、なんだよ《コウモリ》か、と脚を組んで、つまらなさそうに座りなおす。