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この先も
「よし。 ―― これでようやく、対等ってことでいいな? いいか兄貴、いつだってなんでも自分の思い通りになると思うなよ。 ―― おれはずっと、あんたがおれのことガキあつかいするのは、おれが一人前だって、認めてもらえてないからだって、ずっと・・・拗ねてたんだ。 認める。 ―― だけど、いまの話でいけば、おれに『借り』があるから、ってことだろ? ・・・だから、こっから先、そういうのはナシだ。対等だからな。 ・・・・それに、おれはこの先も、おまえともおふくろとも、縁切りする気はねえよ。 ただ、 ・・・すぐに仲良くは、なれねえけど・・・」
立ち上がったジャンは腕時計を確認するふりをした。
「 ・・・みんなが、・・・おれが、ポールをつれてこられるかっていう賭けをしてて、・・・おまえといっしょに『アメリの店』にいけば、賭けは、おれのひとり勝ちってことになる」
時計の文字盤をにらんだ男が、赤くなった顔をあげ、ポールをにらんだ。