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なにから逃げる?


「遺体はないから、そのまま行方不明ってことで?」


「からだの一部がみつかった人いがいは、みんな希望をもったままってことになるのが、いいことかどうかはわからねえが、・・・死んだ証拠はどこにもないからな」



「『遺品』はみんな《湿地》から発見されたってことに?」


「しかたないからな。とりあえずおれがひとりでみつけたことになった」




 まさか、《背中鬼せなかおに》の食べ残しを、シスターのネズミに手伝ってもらってみつけだした、とも言えねえし、とようやくカップから目をあげジャンをみる。




「じゃあ、その人たちは、《湿地》で次々自殺したっていうことにするのか」


「《背中鬼》からメッセージをうけとった人たちが、湿地にある『特別深い穴』の情報を『共有』したってことにしてな。 ―― じっさい、みんな一人暮らしの人たちだから、ほんとは寂しかったのかもしれない。 ファーマー夫人なんかは、はやく旦那のところに行きたいってのが口癖だった。みんなそろって携帯電話も端末も、ふだんの生活をそのままほうっていなくなってる」


「みんな、『にげて』たからだ」


「何から?仕事か?借金か?現実か?」


「知ってるだろ?『背中鬼』からだ」


「ほんとうに? ―― 最初の被害者だっていうモスは、結婚したばっかだっていうのに、ほかに妊娠させてる女がいた。 その友達のボーマーは、会社内で保険金搾取が疑われてた。 ファーマー夫人は持病のせいで気が弱って旦那を恋しく思ってたし、ハットンは、少し前に保険にはいってない車の事故で、」


「もおいい!」


 自分のだした声に自分で驚き、むかいに座る男をにらむ。




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