呼びだされたジャン
申し訳ございません。《バーノルドの森事件》は、『魔女は』を、読んでほしいですが・・・、ながいのでオススメしません。要は、魔女とか悪鬼とかがいるっていうはなしです。
※※※
「 ポール!どこだ?おれはここだ! 」
さっき、どこかから聞こえたのは、ポールの声だった。
ポールから今日、『よーい どん』のメッセージが突然送られてきた。
これは、《背中鬼》が自分をねらってくるのか、と思ったが、その前に、送ってきたポールの身が気になった。
かけた携帯電話はつながらず、しかたなくこの湿地に来てはみたが、他に人の気配はしない。
しばらくまわってみて、一度湿地を出ようとしたのに、
―― 出られなくなっていた。
そうか。
けっきょくこうして背中鬼に湿地に呼び出されたのか、と思うが、もうおそい。
《バーノルドの森事件》のときに、すこしは学んだつもりだったが、甘かったな、とまわりの草をみまわしたとき、 自分をよぶ、ポールの声がきこえたのだ。
「どこだ?ポール!返事をしろ!」
ポールには、このところずっとマークたちの班がはりついているはずだ。
だからここには、警備官たちもきているだろう。
自分の仲間に、兄弟がどこまで疑われているのか確かめたかったが、聞くのがこわくてここ数日、誰とも連絡をとっていない。