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先頭で

申し訳ございません。やっぱり、にひゃくにはいりました・・・・


 サリーナが肩をすくめて笑ったとき、携帯が着信をつげた。



「 消えたかい? ―― わかった。すぐむかう」



 通信をきり、「動いた」とだけ新人につげる。




「追いつけるかな?」

「いそぐのよ」

「ってことは、やっぱりいきなり現場ってことですよね」


 たちあがった三人目の額にサリーナの指先があたった。



 それは、初対面のとき彼女からもらった《挨拶》と同じだったので、同期が両側から仲間を支えた。


 サリーナが初めて会った男にするこの『あいさつ』は、《相手の精気を吸う魔術》としてみんなが知っている。

 



 ところが、力なく倒れるどころか、指をあてられた新人は、しゃっきりと背筋をのばした。



 額からはなした指をふった女が、めったにみせない満足そうな笑みをむけた。




「 これは『挨拶』じゃなくて『ご褒美』だよ。 どう?力がぬけるどころか、視界も、いままでよりはっきりしてるだろ? これで、ほかの二人よりも世界がよく見える。 ―― さあ、こころおきなく『先頭』きって、仕事しな」

 





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