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第五十一話 始まるあたしの世界

11/18ドウンのキャラ改変

 あれからどの位、経ったのかしら?


 この人形達……。


 違うわね。新しい母親と父親は、あたしに良くしてくれている。当然と言えばそれまでだけど、少しだけ居心地がいい……かも。


 不満があるとすれば、怠惰で退屈な日々。


 でもそれも仕方がない事ね。今のあたしは赤ちゃん、それがスタスタ歩けたら絶対におかしいはず。イスナーくんが叶えてくれた願いのおかげで、常人離れした身体能力を得られたみたいだけど、それが祟って力をセーブしなくちゃいけない。


 今日もまたお外を何もできずに見るだけの日々が始まってしまう。




……




「今日は御義父様と御義母様がお越しになる大切な日。なのにラスっ! ソレは何の冗談かしら!?」


「冗談? もしかしてコレの事かい? ユナには立派な騎士になって欲しいからね」


 そう言ってラ(・)ス(・)さ(・)ん(・)がケープではなく、小さなマントを広げた。それをあたしに通していく。表は純白で、裏地は紺、首元で留める部分には紋章のような刺繍が施されている。……あたし女なのだけど?


「それよりイラの方こそアレはなんだい?」


「ユナちゃんはいずれ素敵な淑女になるのですから、こういった小物は早いに越した事がありませんわ」


 あたしの横に置いてある豪奢(ごうしゃ)な扇子をラスさんが手で摘まみ、イ(・)ラ(・)さ(・)ん(・)へ語りかけるように視線を移す。


 その返事とばかりにイラさんが趣味の悪い扇子を大きく広げ、高笑いを初めてしまう……どうなのかしらこの人?


「オーホッホッ! ティアの娘には負けられませんもの!! オーホッホッー!!」


 ――本当にどうなのかしらこの人。心配になるわ!?




 トントン! トントン!


 扉からノック音が聞こえた。と同時に、


「陛下方がお見えでさあ」


 部屋前で警護してくれているドウンさんの声が部屋に鳴り響く。


 ……? ――ッちょっと待ちなさい!? 陛下ぁ? あたしの聞き間違いかしら、この翻訳機能壊れてない? イスナーくんがオマケみたいな物さ、なんて言っていたから、不具合じゃないの?


『正常に作用しているよ』


 身に覚えのある文字があたしの頭に浮かぶ。男の子が書いたような、雑で大小のバランスが悪い字。時々、盗み見ているかのように返事がくるのは、趣味が悪いとあたし思うワケよ!


『神様のサポートは要らないのかい?』


 暇だし。たまには……必要……かな?


『君、面倒臭い性格とか言われなかった』


 大きなお世話よ!!!




……




「ユナちゃ~ん~、おじいちゃんでちゅよ~」

「あなた、もう少し寄ってください!」


 魔王――そんな生易しいモノではない怪物が嘲(あざけ)るように、あたしの小さな手を握ってくる!? イラさんに、ラスさんへ交互に視線を送り続けるあたし!


 助けて! あなた達の愛娘が今、一生の危機に瀕しています!!


「うひっ、うっう~~!!」


 今にも泣きだしそうな声が漏れ、感情の発露とばかりに涙が自然と溢れちゃう。


「お~~、泣かんでおくれ~~」

「あなたッ!! おやめに――」


「っあう!? …………ぶくぶくぶく――」

 ……ああぁ。際限なく満たされる絶望と言う名の恐怖。器は耐えれず砕けて消える。二度目の人生は儚く散っていくのねえぇぇぇ……。


「きゃあああああ、ユナちゃんの口から、泡がーー!!!」

「父上ーー!!」


「ロォォォワ゛ァァァ?」

「待て! 手を上げるでない。足を振り上げるでない。魔力を込めるでぐぶほぁっ!!」


 虚ろに聞こえるは、カエルが潰れたような声とホームランを打ったような音――。


「きゃあああああ、ユナちゃんが白目にーー!!!」

「母上ーー!!」

 (「儂は悪くなあーーー) (いーーー!!!」)

 (「ーーいーー!!」)

 (……)

 地の果てからも届く嘆き――。




…………




……




 定期的に現れるおじいさん達以外は平和に続く日々。あたしは前世の記憶と大人達の反応を頼りに、ゆっくり成長しているフリをして過ごしていた。


 問題があるとすれば、あたしが王家の一員であることね。ちょっと違うかな? 正確にはあたしを騎士にしたくて堪(たま)らないラスさんと、ティア伯母さんの娘のライバルにしたいイラさんかしら。


 なんでも、このバカみたいな名前のラブピース王国では代々、長子が王になり。その他の親族は王を支える騎士になるのが習わしらしい。男はね!! でもラスさんは病的な騎士中毒者で、女であるあたしにまで騎士の道に進めたがっているの。


 あたしとしては強くなるに越したことはないし、そこいらの男より強くなれそうだし、別にいいのよ? けどねぇ~赤ちゃんにトレーニングをさせようとするのはどうなの?と思うワケよ! あまりに強くなると打倒!!異界の魔王御一行に招集されかねない。あたしは人並みの幸せが欲しいだけ。


 そして、ライバルの件。イラさんとティア伯母さんはライバル関係で、娘のあたし達も同じような関係にしたいみたい? イラさんはちょっとアレな性格だけども、根は、ではなくそのまま優しい人でただ不器用な感じ。

 

 まあ、協力してあげてもいいのかな。近い将来、弟か妹を産んでくれそうだし。お姉ちゃんは良いものよ!


 改めて整理すると些細な問題かしらね。




……




 今日も今日とて、城からの景色をイラさんに抱かれて眺める日々。外の空気は気持ちがいいわね。高い所からの景色は雄大で、お姫様になった気分! 実際にお姫様になっちゃたワケだけど。


 でも、今日は下の方が騒がしい。イラさんがその声の方に向かって行く。と、見慣れない二人の周りに人が集まっているようね。遠くて小さく見えるけど、ベッドの上に女の子と赤ちゃんが仲良く本を読んでいるみたい。


 ベッドなんて裏庭に在ったかしら?




 イラさんがあたしに色々教えてくれる。


 簡単な話。女の子がティア伯母さんで赤ちゃんがメアちゃん。そしてこのメアちゃんが、将来、仕える御方になるようね。ティア伯母さんは小人かしら?


 聴く話によれば、あの子の父親は戦死しているそう。本当ならその親が次期国王になるはずが、あの子が代わりになるだなんて、可哀そうなことになっている。


 それとは別に気になる話が飛び出てきた。あの子あたしと同じ生年月日だなんて。おかしくない? あの子歩いてない? 人ならざる速度で転がってない? それに話しているような――。




『あの子も君と同じ王族だからね。不思議ではないよ』




 最近一層、賑やかしに来るようになったイスナーくんの文字がはらり送られてきた。


 ――ハァ゛!? 王族なら赤ちゃんがベラベラ喋ったり歩いたりしているのが普通って言いたいワケっ!?


『不思議ではないというだけさ』


 あっ、あたしの苦労は何だったの!!! もっと早く言いなさいよ。そういう事はッ!!


『まあ、そう怒らないで。好きで黙っていた訳ではないよ。教えるのに達成しないといけない条件があるからさ』


 条件って、あんたっ! で、その条件って?


『ある程度まで知る事さ』


 線引きが曖昧な表現ね。他に話せることはないの?


『今の君が全力を出しても、大丈夫ってことかな』




 ……自分で言うのもおかしな話だけど。あたしの強さ、人を辞めてると思うけど?


『それは前世の話ではだね』


 簡略化された図に違いが次々と示されていく。それによると強さの際限が取り払われているのでは、と思う数々の表現。


 冷静に考えれば、魔王だとか魔法があるのだから、納得――できるワケないでしょう!! 何このDX《運命の子》with《転生者》ver.最終決戦プレミアム仕様!!! おもちゃの宣伝なのっ!


『まあまあ、少し落ち着いて。君達はそれだけ強くなれるってことさ』


 こんな無茶苦茶な奴が十二人も居たら逆に世界が終わるわ!! ……もしかしてこれだけの戦力が必要になるの?


『保険みたいなものさ。こちらは負けた時点で世界が消えてしまうからね。それに抑止力にはなるから』


 っそう! ならあたしは自分の好きなようにさせてもらうわね。


『つれないね~? 君が心変わりするのを神様にでも祈ってるよ』


 あんたがその神でしょうが! この駄紙(駄神)……!!


『(´・ω・`)ショボーン』




…………




……




 あれから少しずつ成長のスピードを上げ、よたよた歩きができるまで早めた。子供の成長は嬉しいのか、その都度我を忘れて喜ぶのは少し申し訳なく思っちゃう。


 けどねー。


「はいユナちゃん。今日もお茶会の練習しましょうね~」


 コレ、ただのおままごとでしょ!!


「あ~~う?」


 まだ言葉も喋れない(フリだけど)赤ちゃんに英才教育のつもりなの!?


 手入れの行き届いた庭園、綺麗に咲き誇る薔薇達、ココは城の中心。白亜のお茶会をするスペースに、あたし達は対面で座っている。


「ティア、今日はあたくしのお茶会に呼ばれたことを喜びなさい!」


 イラさんが不自然に空いているイスに話しかけている。


「ちょっと、高圧的かしら?」


 それ以前の問題では?




「ユナちゃんはどう思います?」


「あ~~、ぶ~~っ!」


「そうですか。では、こほん! 今日はティアの為にお茶会を開いたんじゃないからね! もおっ? かん、勘違いしないでよね……バカぁ。べ、別にティアの好きなクッキーを、今日たまたま選んだだけ……だからねっ!」


 どう反応すれば正解なのかしら!? その間違った書物は何処から手に入れたの?


 イラさんは真剣にページをめくっている。悪ふざけした編集が書いた記事を、鵜呑みにする純真な少女のよう。


 冷静になって、世の真理は単純明快なのよ。自分の魅力にどれだけ真摯に向き合えるか。そんなとって付けたようなものじゃダメ! 自分らしくよ!!


「ぶっ、ぶっ、ぶっ!」


 少しお行儀が悪いけど、テーブルを叩いて間違っていると教えてあげる。そして、なぜあたしの反応で確認しようとするのかしら? ティア伯母さんは子供を産んだ母親なのでしょう。赤(・)ち(・)ゃ(・)ん(・)と(・)で(・)も(・)思(・)っ(・)て(・)る(・)の(・)!? 




 ――ぱさっぱさっ


 イラさんの後ろから物音が聞こえた。


 少し警戒をした様子であたしを抱き上げ、音の方に近づいて行く。


 薔薇の花から顔を覗かせたのは妖精?


 潤みのある綺麗な青の瞳に、女の子であろう髪の長さの金髪。顔の印象は何も考えてなさそうな子供。裸の体には節々にほんのり赤みを染め、まだおぼつかない足取りでこちらに寄って来る。


 ――と同時に、幽鬼がその妖精の頭を容赦なく握る。


「メ゛ア゛様゛!!!」


 妖精の名はメアかー。偶然にもあたしが仕えさせられ、ライバルにさせられるお姫様の名といっしょかー。


「エイド~♪ごめんにゃちゃい♪」


 たどたどしく発せられた甲高く媚を売る声。


「謝ればいいと思っていますか゛ぁァア゛?」


 メイド(冥土)服に身を包んだ幽鬼からは澄んだ透明感のある声。しかし、抑揚は正反対。顔にこびりついた笑顔は、おじいさんとは別ベクトルの恐怖を多分に含み、心臓の鼓動を急上昇させる。


「うふふ♪か・く・ご・はよろしいですか~!!♪」


 人形のように首から上だけをゆっくり回転させられる妖精。その目には今にも流れ落ちそうなほどの雫で満たされていく。


 異様な光景から我を取り戻したイラさんが口を大きく開いた。




「あなた達、そこで何をしているのですか!」


「こ、これはイラ様ぁ!? 大変お見苦しいところを――」


 イラさんがゆっくり歩いて行くと、妖精の顔がはっきり視えた。どこか既視感があるような――。




「あ~う~!? む~あ~く~あ~!!!」




 イスナーくんが送ってきた映像!!! その一人を幼くした容姿をしている。ってことはこの子《運命の子》で、あたしと同じ《転生者》あぁぁぁあああ!?


 妖精。改めメアちゃんは不思議な踊りを始める。


 コイツは何がしたいの!! 裸でっ!!!




 あたしが呆気に取られていると突如として二人の姿が消えた。幽鬼の首にティア伯母さんがへばり付いていたような……。


 世の中には考えない方が良い事がある。今回の出来事がまさにそれだろう。


 うん、もうどうでもいいや。明日からもう赤ちゃんのフリはやーめた。バカらしっ。




イベントクリア報酬

ゲットスキル

ユナ

【王家】

何でもありかよ!? ナンデモアリデス!

補正 全能力+1


【DXユナちゃん】

喋る! 動く! 可愛い! X0XX年 発売予定!

補正 TP+1


【お姫様】

赤ちゃんでもお姫様!

補正 抵抗力+1


secret

《???の卵》 ⇒ 《???の卵+》

自動翻訳機能付きの優れもの。それがな、な、な、なんとタダで付いてきます!

補正 ステータス成長速度+50%UP <new>魔法力+1<封印中>


ラス

【騎士中毒者SP】 ⇒ 【騎士中毒者EX】

ユナや、騎士はいいぞ。民を守る……べらべらぺらぺら

補正 防御力+10 <new>防御力+50%UP


イラ

【ツンデレ】

イ「もう、あたくしの口から言わせないでよね……ばかぁ」

ティ「イ、イラのあたまがパーになっちゃったー!?」

イ「お、お黙りなさい~!!!」

補正 魔力+1


レーヌ

【大乱闘スマッシュロイヤル+】 ⇒ 【大乱闘スマッシュロイヤル++】

GAMESET REINE! WIN!!

補正 攻撃力+2 <new>攻撃力+30%UP

 

ゲットアイテム

ユナ

[幼騎士のマント--]

見ようによってはケープにも見えるので女性にも安心?

補正 HP+3 攻撃力+1 防御力+2 抵抗力+3 素早さ-1

次回の新規投稿は11月28日(土)の夕方頃になります。


創作日記:トリを飾るのはアニメ版 けものフレ○ズ(ふ○んず)です。

最後に紹介するだけあって、自分のこの作品の評価は完全に狂っています。

原初にして終点。満点の壁を今まで見た作品を味方につけ数の暴力で意味のない物にした作品です。


ネタバレは今回も少ないはずです。では、紹介に行きましょう!




まず、知っているor聞いたことある作品で、そこまでの作品か?と思われるかもしれません。

語ったら本編が二話分位の勢いになるので、削りまくりますー。

見始めたのは四話がニコニコ動○のタイムシフト予約できた時期でしょうか。

なんか流行っているらしいので見ようと思い、ほぼ前情報無しで視聴を開始しました。

問題の一話から異常クオリティと感じました。その後の話も全て異常クオリティでしたがね。全てを過去にしたと表現していいでしょう。

最初の魔の五分は弁明しません。クッキー☆? MMD? OK把握した。これクソアニメをみんなでボコボコにするスタイルで流行ったんやなと判断しました。慣性ドリフトは低予算か素人なりに表現したものか?など違和感を感じながらも視聴を続け、ジャンプ力~で、コレ教育アニメやー!と感じ、一話最後のキャラのやりとりでウルッとなり、疑問に思いました。このアニメ、俺はめっちゃ好きやけど、ぜったいに世間で受けないパターンのヤツやと。


実際その後の調べで、他人の評価は、一話はクソ二話で笑えるクソ三話で爆発して流行り。その後永遠と爆発し続けて満点着地したでしょうか。


満点着地できた作品がどれだけあるのか。どれだけ貴重なのか世に出ている作品を観てきたみなさんはおわかりですよね。


……ビジュアル面が悪いのは認めます。ですが俺の場合あまり評価対象になりませんでした。なんせSFC世代だもん。ビジュアルの最低値が低いってのもありました。


そして――話の内容と演出がキチガイ的に良すぎでした。

話の内容は、ここは好みがすごく別れると思います。もし仮にそれがまるで自分の為に作られたと思うくらいにピッタリ合ったらどうでしょうか? その作品は世間でどうであれあなたにとって、とても良い作品になるはずですよね。


うん、怖いほど合ってん。信じられないくらいに。それでここまで合うのは人生の残り時間的に一本あればいい方だと考えています。勘違いされては困るのですが、これでもオタクでにわか程度には世の有名作品は見ています。


最初に紹介した作品覚えているでしょうか? 天○創造それをプレイしてから俺は人類が嫌いになりました。その俺がこの作品を視聴して人類が好きになりました。


まずどうして人類が嫌いになったのか、簡単な話ですが『悪意』です。凡百の有名作品を思い浮かべてください。『悪意』がありませんか? その『悪意』を吸収していったからです。『悪意』のない名作は数が少ないですよね?


この作品では『悪意』は描かれていません。表面上はね。ですがきっちり描かれています。それは私達の中でという形でです。ふとしたシーンで自分の中の『悪意』と向き合う事になりました。


だからと言って人類を好きにはならないですよね? ある意味本題になる事ですがこの作品のテーマは『人』です。


『人』をテーマにする。それは創作物の最終到達点です。言い切りやがったなーコイツ!?

愛だ友情だ知識だ何だとテーマに掲げようがそれは『人』の切り口を変えた一部分だけ。

『人』以上のテーマなんてありゃしねえ。そもそも『人』が『人』に対して伝えるのだからそれ以上となると理屈的に不可能です。『人』は『人』にしかなれませんからね。


……ちょっと待って~? 『人』と言う最終到達点をテーマに掲げ、なおかつ『悪意』がない作品なんて世にどれだけの数が在るのか。だからね、人生の残り時間的にこの作品越えが、一本あればいい方だと考えています。


そして、逆に言えばそれ以外の作品は、この作品と比べる土俵にすら立てません。


文字数的に限界かな? うん1%も語れてねえな。因みに他の『神作』も土俵にすら立てません。それぐらいに異次元の評価なんだなー。

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― 新着の感想 ―
[良い点] アニメ風の立体物(人間)に馴れてしまったユナ。 あとは親を親と認められれば。 [一言] メア近辺はよそから見ていれば、完全にカオス。 さすがラブピース王家の血筋。 …………けもフ○を…
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