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虚ろで冷たい
【―― トリカゴ ――】
「いつかあの青空に
身体ごと融けてしまえたら――……」
降り続ける雨の中で 空を見上げて
ずっと想っていた 「イツカ アノ ソラヘ」
扉もない鳥カゴの中
翼を抱きしめたまま
静かに眠りにつこう
目覚めても何もない
ただ 冷たい闇ばかり
飛ぶための翼は
役立たずの飾りになった
閉じられた鳥カゴの中
翼を抱きしめたまま
静かに眠りにつこう
何もかも忘れてしまえるように
あの広い空さえ 忘れてしまえるように
――1997/11/06
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【―― 虚飾 ――】
君の言葉に本当は無く
全ては嘘にまみれ
おろか者はみな 君に踊らされる
作り事が得意な君
気付けば そこは嘘で埋め尽くされた
埋もれてしまった真実は 一体どこへ行ったのか
――1998/06/17




