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鬼の心
あれからどれくらい過ぎたのだろう、
今でも ずっと考えている
血を求めてやまない鬼の心
血を欲し戦を求め
夜を彷徨い歩きまわる
嫌なら止めればいいのだけれど
止める事など きっとできはしないのだ
静かで平凡な暮らしのくり返し
鬼の心は そんな生活に厭きるだろうさ
暢気に生きている彼等を
うらめしく思った事もあったけれど……
鬼の心は自ら望んで戦に向かう
血を求めて己を汚す
倒れていく奴らを尻目にしながら
「ザマアミロ」と嗤ってやるのだ
周りの事など かまいはしない
戻りたいとは思わない
逃げる事などありえない
戦こそ生きる道
鬼の心は血を求める
ビルの隅にわだかまる闇に、
人の波に潜む欲望に、
求めて 求めて 彷徨い歩く
鬼の心