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宝くじが当たったのでレベル1から聖剣を買ってみる 作者:羽田遼亮

第三章

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君はやがてこう呼ばれるようになるよ †

 第五階層からの帰り道、聖剣のエクスは黙って主のステータスを開いてみる。


クロム・メルビル 16歳 レベル11 冒険者 Dランクギルド フェンリルの咆哮所属

筋力 C
体力 C+
生命力 C+
敏捷性 C
魔力 D+
魔防 D+
知力 C
信仰心 D+
総合戦闘力 1853

武器 聖剣エクスカリバー
防具 旅人の服 トリネコの木の円形盾

固有スキル 【なんでも装備可能】
隠しスキル 【英雄の証】
戦闘関連スキル 【剣術C+】 【火魔法E】→【火魔法E+】 【対槍術E】 【対ゴーレムE】 【万能武術F】 【基礎魔法G】 【対蜂型モンスターB】new 【盾攻撃E】new
武具スキル 【自動回復小】 【成長倍加】 【耐火C】
日常スキル 【日曜大工C】
必殺技 ファイアブレード new


 エクスはクロムが必殺技を覚えているか、しかと確認した。

「やっぱり覚えている」

 最後に放ったあの一撃、ステータスの神様はちゃんと必殺技として認識してくれたようだ。

 エクスは剣閃を放つとき、
「必殺技の名前を叫べば威力が上がるよ」
 と言った。

 あれは大嘘である。名前を叫ぼうが、詠唱をしようが、技の威力は上がらないものだ。

 なのにクロムという少年は威力を上げるどころか、ただの技のひとつだった剣閃を『必殺技』にまで昇華させてしまった。

 驚くべき技術とセンスである。
 通常、剣士が必殺技を覚えるのには何年もかかる。

 何年も地道に修業し、やっと習得できるかできないかといったもので、このように討伐の最中にピコンとひらめくようなものではない。

「……かのアーサー王だってこんなに器用じゃなかったよ」

 前の持ち主である王に思いをはせる。
 金色の髪を持ったアーサーは異世界のブリトン人の王だ。

 北方の島国で生まれたアーサーは、十二人の円卓の騎士を配下に持ち、失われた聖杯を探し出し、悪逆なるローマ皇帝を倒した英雄の中の英雄である。

 エクスは『彼女』がまだ若いときからずっとともに戦ってきた。

 のちにとてつもない偉業を達成する英雄らしく、若かりし頃からずば抜けた戦闘センスを示し、エクスを驚かせたものだが、それでも彼女も必殺技を習得するのに難儀したものだ。

 だのにクロム少年はいとも簡単に必殺技を習得し、己のものにしてしまう。
 初めての実戦で必殺技を放ち、使いこなしてしまう。

 あどけない顔だちの少年であるが、その才能はもしかしたら、かのアーサー王をしのぐかもしれない。

 そう思った。
 エクスは改めで現在の主を見る。
 色素の薄い髪がさらさらとなびいている。
 顔だちは幼くもあり、どことなく中性的だ。女装をさせればさぞ似合うだろう。
 そう言った点ではかのアーサー王都の類似点もある。
 彼女もまた中性的で彼のような髪を持っていた。
 ただ、決定的に違うのはその心根だろうか。
 アーサー王は慈悲深い王であったが、自尊心の高い王であった。
 クロムは慈悲深く、どこまでも優しい少年であった。

 見ればクロムは、初めてのダンジョンで疲れ切っているエリカを背中に乗せている。

 クエスト帰り、激闘のあとだというのに、文句ひとつ言うことなく、エリカをおぶっていた。

 その姿は仲の良い兄妹にしか見えない。
 兄の方が英雄になるなどとは信じられなかった。

「……でも、君はやがてこう呼ばれるようになるよ」

 エクスはクロムに聞こえないようにつぶやく。

「迷宮都市最強の冒険者とね」

 その声は誰にも届かず、聖剣の刀身にのみ響いた。

『宝くじが当たったのでレベル1から聖剣を買ってみる』

今月2月28日発売予定です。なにとぞ、よろしくお願いいたします。

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