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随筆家になれない  作者: 詩浅亭音樋
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そもそも人間になれているのかどうか

 高校生まで自分は読書家だと思っていた。趣味:読書のつもりだった。一日一冊は読んでいたし、本屋をめぐるのは大好きだった。大学生になって噂通り時間が有り余って、これは一日三冊くらい本を読んでしまうなと思った。読んだ本の感想も書き留められるしと五年日記も買った。


 全然そうではなかった。三日に一冊読めればいいほうだった。基本的にゲームをしていた。五年日記はいつの間にかその日狩ったモンスター目録になっていた。あ、自分がやたら本ばっか読んでいたのは授業中こっそり楽しめる娯楽の上限がそこだったからなのだ、と気が付いた。多分、授業中にゲームをしても何も言われないような学校だったら本なんてろくすっぽ読まなかっただろう。大学の授業中に読めばいいではないかという話だが(よくはない)そもそも授業にろくに出ていないのだった。

 困ったことに相変わらず本屋をめぐるのは大好きで趣味:読書は趣味:積本ジェンガになりつつあった。


 梅雨の時期に冗談みたいに体調が悪くなった。当時の主食はブラックサンダーと氷菓だった。何故? 糖分を摂取しているのに? と、人間栄養をちゃんと取らないと駄目だなと多くの人が悟ってくれるだろう思考をフローリングに寝転がりながらぐるぐると巡らせた。

 どうにかデリバリーを頼んで九死に一生を得た。宅配してもらうには一定以上の金額ではないといけないということも知り、家族みんなの分を頼むから気にしたことがなかった実家の生活を思い出して若干ホームシックに陥りつつ貪るように二人分の弁当を食べた。


 ここまでを二十六歳の時に書いて、それからしばらく放置していた。本日二十七歳になった。前項の出来事から十年近く経っていることを考えると目眩を覚えるが、それ以上に自分の記憶力のなさにも驚く。なにしろこの後どうやって随筆というかエッセイというか日記というかチラシの裏というか、そういったものを書こうという決意表明に繋げる予定だったのかまるで思い出せない。

 当初の趣旨からずれてしまったような気がするが、当面は備忘録として使ってみるのがいいかもしれない。

 そのことすら、忘れてしまいそうではあるが。



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